見かけによらず、濃いーファンタジー

中身の無い抜け殻の鎧と少女の旅。
旅の目的は、この世界でただ一人存在する魔女に会うこと。

ライトな出だしからは想像もつかないほど、物語が後半に向かうにしたがって内容がコアにコアになっていく。
主人公とヒロインの二人はとにかくタフで、とにかく諦めが悪い。旅の中で幾度となく窮地に陥っても、何度も何度も諦めかけても、最後は絶対に諦めずに立ち上がる。読者が正気を疑うぐらいに、絶対に諦めないのだ。

訪れる町にはそれぞれ奇異な特徴があり、その発想力もさることながら、詩と哲学と狂気がごちゃまぜになったような語り口は飛び抜けたオリジナリティを感じる。こんなの読んだことない。

一度引きずり込まれたら終わりで、アリ地獄のように抜け出せない(良い意味で)。
誰にも真似できない独特のファンタジー作品。
最後の町で主人公たちが全てをぶつけ合った後に見た光景が、とても美しく、目から離れない。

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