★★★ Excellent!!!
ひとことで表せないような気持ちが書かれている小説です。 あきらど
女がオンナを殺そうとする話、第一話を読ませていただいた感想です。
物語を読むとき、どうしても自分と重ね合わせて見てしまうので、途中で自分語りみたいなのが挟まったら申し訳ないです。イズミに感情移入して涙が出てくるというか、喉の奥が詰まるような感覚になるくらい、なにか迫ってくるものがありました。うまく言葉にできなくてすみません。
恋人じゃなくても、大事な人がいなくなったとき、劇的な思い出だってもちろん忘れないのですが、些細なきっかけからなんでもないような会話とか暮らしとかそういう思い出ばかり浮かびあがってきて、大切だったのに、なくなったものの形が見えてしまって胸が詰まることがありました。
イズミが、この表現が正しいかはわかりませんが、恋人とのありふれた生活の一瞬を思い出しては懐かしんだり遣る瀬無さを感じている様子に昔の自分を重ねて読んでいました。
イズミがまだ飲み込み切れていない悲しさとか寂しさが見えて苦しいし、どうにもならない感情も吐き出してしまってほしいと思うし、それを見るのが怖い気もします。
あとこれは文の好みの話なのですが、
「〜のだ。」口調の繰り返しや、「絵だってうまくならない。花をどれだけうまく描いても、死んだ人間は生き返ったりしない。」の部分、あとは「セットは一生かかってくれるな。」から「せっかくセットしたのにね。」になるあたりがリズミカルで好きです。
「前を向…
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