たかが、トリケラ

この小説は、ありきたりな恋愛小説だ。

普通に幼馴染を好きになって、彼女の抱える問題を二人で乗り越えようとして、愛を深めていく。育まれた愛は周囲には理解されないが、それ自体もよくある話と言えるだろう。話の流れも特に大きなどんでん返しがあるわけではない。


そう、読後に去来する、この胸を締め付けられるような切なさも、恋愛小説によくあるものだ。

人間の持つ強靭な愛に気づかせてくれるものだ。

誰かを心から愛すことの美しさを感じさせてくれるものだ。

読んだ人々の中で化石となってしまった純粋な気持ちを掘り起こしてくれるものだ。

だから、敢えて、こういわせてもらいたい。
本作は、ただの、至極の恋愛小説だ。

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