第16話 飼い犬に勝手にえさをやらないでください

 彼らの言い分はこうです。


『アレルギーとはなんなのかわからなかった。だって、美味しそうにいつも食べていた』

『うちで飼っている犬は餌の量が決められていて、勝手にやれなかった』

『掲示物は、おおげさに書いてあるんだと思った』

『カメラはおもちゃだと思った』

 

 アレルギーがわからないなら調べろ。

 おいしそうに食べているように見えたのかもしれないが、お前がうちの犬に与えたのは毒だ。

 自分の家の犬にやれないものを、うちの犬にやるな。

 おおげさじゃない。掲示物には事実を書いたんだ。

 カメラには決定的な瞬間が映っていないから警察に届けられなかったんだ。


 そうやって怒鳴ったり叫んだりしてもよかったんでしょうが。

 人間、頭に血が上っている瞬間はなにもできなくなるんだと思ったし、怒鳴るよりもなによりももっと効果的な復讐はないものかと、非道なことを考えていました。


 その後コギは落ち着きを取り戻しました。

 ですが、庭に出していません。


 外出は散歩のみですが、いまのところコギがストレスを感じているようにはみえません。


 たぶん、体力が大幅に落ちているので、以前のように外で自由に遊びたいと思わないだけなのかもしれません。


 私が子どものときと現在では、犬の飼育方法が随分変わってきました。


 細かいことをいえばいろいろありますが、大きな変更点と言えば「室内飼い」と「ペットフード」「購入者の年齢制限」ではないでしょうか。


 昔、犬と言えば鎖でつないで外にいました。

 餌といえば、人間の食べ残しでした。

 迎え方は「近所で生まれた雑種」をもらうことが大半でした。


 いま、そんなことはできません。


 高齢になって、犬を飼おうと思っても年齢制限にひっかかって購入ができません。保護犬についても譲渡対象外です。


 ならば近所の犬をさわろうと思っても、庭に居ません。

 室内飼いだからです。


 孫や娘、息子たちが飼っている犬に、勝手に餌をやったら叱られます。あなたがあげようとしているその食べ物は、犬には害があるからです。


 だけど、犬とふれあいたい。


 そんなとき。

 たまたま、出会ったのがうちのコギだったんでしょう。


 私も悪かったのです。

 異変にきづいたとき、さっさと家の中にいれてしまえばよかったのです。


 説明すればわかってくれる、カメラを設置すれば警戒してくれると都合よく夢想していた結果がこれでした。


 彼らに悪意はなかったと思います。


 ただ無知で、身勝手ではありました。


 当たり前ですが、余所の犬に勝手に餌を与えてはいけません。


 そして。

 屋外飼いは危険です。


 どうしても屋外で飼う必要のある動物の場合は、防犯カメラの設置を推奨します。


 以上、少しでも啓発になれば、と思って更新しました。

 次はできるだけ楽しい内容になればいいな。

 

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日々是コーギー 武州青嵐(さくら青嵐) @h94095

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