「きみのことだけは絶対に忘れるはずがない」ぼくはそう思うけれど、きみの姿が、記憶が、モザイクのように消えていく。なんて悲しくて、美しい愛の物語。
読むこと、書くこと、美術、歩くことが好きです。
とても短い作品です。しかし、深く深く考えさせられ、同時に様々な感銘を受け得る作品です。世界が壊れていく。バラバラに。意味を成さない断片の塊に。見えていたものは、見えなくなり。元在った…続きを読む
短い文ですが、記憶を失っていくパートが丁寧に丁寧に書かれています。とてもとても、言葉にできない切なさです。
この上なく残酷な病の中にいる主人公。大切なものが少しずつ失われていくその恐怖と痛みが、読み手の胸に静かに迫ります。淡々と並べられる言葉が、その壮絶な苦しみを一層強烈に煽るようです。自分の中が…続きを読む
儚さと遣る瀬無さが伝わる掌編です。忘れたくない記憶がモザイク加工に蝕まれるさまは、モザイク模様の薔薇窓が不可抗力に壊れるような切なさです。生きてきた証をひとかけらずつ失っていく現象が、淡々…続きを読む
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