概要
やぐらにのぼれんで泣いたことある? わたしは、あるばい。
毎年お盆の時期には、祖母の住む町の盆踊りに出ることにしている。福岡県、筑豊。少し変わった町。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!情景が、浮かぶ。
"わたし"と高田の兄ちゃんの話。
こちらの作品、ふたりの年齢について具体的な言及がないのですよ。ただ、"わたし"の「戦後って昭和だっけ」というふと頭を過ぎった疑問や、「友達より遠くて、クラスメイトよりは近い」高田の兄ちゃんとの関係性を「不思議」と形容する感性などから、ふたりの年齢だとか人となりが窺い知ろうとするまでもなく、すっと伝わるようになっている。
こういうただ綺麗なばかりではない、説明じみているわけでもない、言葉選びやちょっとした仕草から登場人物の年齢や人柄を伝えるって甚だすごいな──と私は思っていて。たとえば、高田の兄ちゃんが"わたし"に二百円を渡すシーンがあるのだけれど、コレ多…続きを読む - ★★★ Excellent!!!思い出の夏物語
小さな田舎町の夏の様子の一コマ。
そんなイメージで読み始めたのですが、物語に描かれる中には時間の経過と共に変化していくいろんなものが入っていました。
毎年同じように祭りはあるけれど、毎年少しづつ街は変化していて、同じように自分と憧れのお兄ちゃんとの関係性も変化してくる。
そこで題名に戻ると、成る程、見えてくるものが広がるように思います。
変わるものと変わらない物をサラリと入れ込んで爽やかな風が吹くような感じでした。
そして色んな音が聞こえてくる感じ。
描写力はやはり上手いなぁ……
音と光と匂いと蒸せ返る暑さとが同時に感じられながらも、どこか爽やかなのです。
この世界観を2000文字ち…続きを読む