愁いを知らぬ鳥のうた

作者 野々ちえ

76

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★★★ Excellent!!!

世の中に嫌気がさした男子高校生が雑木林で会った不思議な少女つぐみ。
その歌声の虜になった彼はドンドン彼女に惹かれていくのですが…。
彼女にはそのままだと幸福になれないある事情がありました。

世の中の不条理に出くわし自分の無力さを悟った時、男は大切な事を学ぶもの。
誰かの人生を救いたければ心身ともに強くなければならないという真実。
そしてその誰かには、自分自身もまた含まれるのです。ならば…。

完璧なハッピーエンドだけが必要なものを与えてくれるとは限りません。
時に苦いものもお求めな大人貴方へ、おススメです!

★★★ Excellent!!!

鳥が愁いを知らないのかどうか、本当のところは知りようもありません。
でも、その声に、人はいろんな想いを乗せて記憶します。
だから、その声を聞くたびに思い出すもの、そう言ったものは愁いを孕んでいるんじゃないか、と思います。
短編のため、あえて作品の中身には触れません。でも、読後、鳥の声が少し違ってきこえるかもしれません。

★★★ Excellent!!!

美しい声で囀るクロツグミ。
そんなクロツグミに負けないくらいの美声で、でも雑木林の中でひっそりと歌う彼女と主人公は出会います。
しかし彼と彼女の出会いは、意外な展開を迎えることとなり──。


歌うことが好きだと言った彼女は、本当は何を考えていたのか?
重めのテーマですが、真摯に物語を語ろうとする筆致が素晴らしくマッチしています。読み手の数だけ結末があるような、そんな「考えさせられる」お話。
是非この物語を読んで、あなたもいろいろと考えてみませんか? おすすめです。

★★★ Excellent!!!

挫折を味わっていた少年の前に現れたのは、楽しげに讃美歌を歌う少女でした。
歌声に、また、幸福しかしらぬような姿に心惹かれた少年は、ある日、彼女に告白したのですが……

青春の中にある儚さ暗さが透明感ある文章で淡々と綴られています。
重いテーマですが、筆力のためか切なくも美しく感動的でした。

すっと心にしみてくる、読ませる力がある短編です。おすすめです。