凄惨たる世界を生き抜いていく女性の物語

大崩落と呼ばれる大厄災の後、地球には魔物が跋扈し始めた。その魔物に対抗する為に人類は亜人種という生物を作り、その者達に魔物の掃討を命じた。
主人公は紫蘭という亜人種の女性。彼女は村でたった一人の娘と共に生きてきた。だが、魔物は容赦なく村を襲撃し、紫蘭の日常を壊してしまう──

バトルがメインのダークファンタジーですが、その戦闘シーンはまさに命がけの戦い。時には女子供にも容赦なく、戦いという残酷な現実がふりかかります。グロテスクな表現もある為、苦手な方もいるかもしれませんが、ある意味で戦いの残酷さをリアルに書ききっているとも言えます。
苦しい現実の中に見える一筋の光明は娘の存在。ですが、その娘も死の危機に直面したり、拐われたりと紫蘭の日々に安寧は訪れません。
主人公側にも容赦なく危機が降りかかるので、先が読めない展開に読者は終始ハラハラし通しです。

物語の随所に散りばめられる手記や断片によって徐々に紐解かれていく謎も必見。
妥協を許さぬ重厚なダークファンタジーが好きな方にはオススメの一作です。

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