概要
「さあ飼い慣らせ、内側の猛獣を」
ある危機感を抱えた篠崎龍は、助けを借りるために河野真理という異端の精神科医を訪ねる。
交差する平穏な日常とカウンセリングという非日常、人の抱える表と裏、異端と正常…。
篠崎の歩む道は、地上を進むか、地獄へ向かうか。さあ、いずこへ。
交差する平穏な日常とカウンセリングという非日常、人の抱える表と裏、異端と正常…。
篠崎の歩む道は、地上を進むか、地獄へ向かうか。さあ、いずこへ。
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- ★★★ Excellent!!!バニラの香りの煙草の烟が導く思索の行く末は、いずこ。
肉と魂は調和して然り?
それとも背反して然り?
冒頭、病院のカウンセリングから語られ始める若き人の悩み。
既に「肉と魂」の、せめぎ合いに耐えかねているのだろうと思わされる。
生きているかぎり、せめぎ合いを聴かない人間はいないであろう。
聴こえていたとしても聴こえていないふりのできる人間は、ともかく、人の世は割り切れない感情で渦巻いている。
「快楽」を抽出するのは容易い。
あえて困難な命題に立ち向かうが如く「苦悩」を抽出する先に見える景色。
その景色の見える場所に立ち寄るのは秘境に赴くが如く。
作者様が辿り着こうとする境地に一緒に踏み込むことを許されるのは、これが小説だから。畏敬の念を表…続きを読む