好いた女性のために、最高の仕事を。

 恋物語です。 幼馴染が大好きで、彼女のために頑張る杖職人の話。激しく心を揺さぶられるのは、等身大の人間ドラマを見ているためなのでしょうか。

 杖職人バーニィは腕利きの職人である父親を持ち、幼馴染のキャロルは天才と呼ばれるほどの強力な導師です。導師が魔法を使うために必須の杖を作るのがバーニィの仕事ですが、雲の上の人のように優秀すぎるキャロルへの劣等感や焦燥があります。ずっと好きだった幼馴染は、いつしか有事の際に最前線に立つような柱になっていて、彼女のために杖を作ろうとするも思うようにいかなくて。歯がゆさやもどかしさを抱えながらも、キャロルの信頼に応えるため奮闘するバーニィをつい応援したくなります。個人的にはオスカーとキャロル回りの話がとても印象的でした。