愛は信仰を超えるのか

新興宗教にのめり込んだ母を持つ沙羅。
宗教を捨てた沙羅は妊娠し、シングルマザーとなることを決めるが……。

主人公は沙羅。しかし、もう一人の主人公は間違いなく久美子だと思います。
久美子の信仰心は本物ですが、家族に寄せる心の中で二面性が生まれ、時にはそれらが殺しあう。

語彙も豊富で、展開も自然、それなのに衝撃は凄まじく、素晴らしい作品でした。
特に、メールのカラクリがまた秀逸で、何度も読んでしまったくらい。

信仰は偏った形で愛を教えてくれるかもしれません。
しかし真の愛はすべての垣根を超え、あるべき姿を教えてくれる。

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