概要
空を飛べない僕は。
第二回こむら川小説大賞参加作品です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!飛ばない翼があってもいい
有翼者と呼ばれる翼が生えて膝から下が退化した人類が少数存在する世界の話。
と言っても何か大きな事件が起きる訳でもなく、問題が発生する訳でもなく、飛ぶ事も歩く事もどちらも中途半端にしか出来ない青年の通学を描写しただけの作品。
内容はとてもリアルです。現代社会に有翼者が居たら実際にこういう事になるだろうという状況そのままです。
中途半端でどっちつかずの体だけれど、だからと言って憐れみを持って欲しくないし、憧れも持って欲しくない。どっちつかずそのままの自分を見て欲しいという切実な思いが胸に響きました。
この思いは彼が有翼者だからという訳では無く、人間全てが思っている事なんでしょう。外見が関わらない…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『翼』というモチーフがこんな使われ方してる時点で強い
背に翼を持つ『有翼者』という人々の存在する世界のお話。
ジャンルには現代ファンタジーとあり、実際その通りの世界設定なのですが、個人的にはSF的な口当たりというか、現実に放り込まれたifみたいな感覚で読みました。
約3,000文字というコンパクトな分量で、文章や展開もさらりと読みやすくまとまっているわりに、主題の掘り下げがゴリゴリ底まで到達しているというか、がっつり食べ応えのある物語でした。
短いのでここであれこれ言及するのもなんなのですが(だって本文読んだ方が早い)、ある種のアウトサイダーあるいはストレンジャーのお話です。以下かなりネタバレ気味の感想になります。
市民の中の『有翼人…続きを読む