概要
私たちはたった1日だけだったけれど、友達だった。
ある日盗んだラジオでパーソナリティがシデムシの話をしていた。
シデムシは死体に集まり、それを糧とする。シデムシの仲間は托卵をする。メスはより生命力の強いメスに、自らの子供を育てさせようと、自分の卵を紛れ込ませるのだ。
一方、強いメスは他のメスの卵を誤って育ててしまわぬよう、子殺しを行うという。もし母親が、自分の子ではないと気付けば、その子は殺される運命だ。
私はまるでシデムシの姫。彼女が死んだことを良いことに、彼女の死体に集り、彼女の家に寄生して気付かれないまま生活している。
シデムシは死体に集まり、それを糧とする。シデムシの仲間は托卵をする。メスはより生命力の強いメスに、自らの子供を育てさせようと、自分の卵を紛れ込ませるのだ。
一方、強いメスは他のメスの卵を誤って育ててしまわぬよう、子殺しを行うという。もし母親が、自分の子ではないと気付けば、その子は殺される運命だ。
私はまるでシデムシの姫。彼女が死んだことを良いことに、彼女の死体に集り、彼女の家に寄生して気付かれないまま生活している。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!リリィと両親 ― 偽りの家族 ―
親から捨てられ悲惨な人生を辿った女の子が天使のような箱入り娘と出会い、その子に成り代わって生きる事になる話。
いきなり壮絶な回想から始まって追い打ちの様な事故が発生しますが、そこから一転お姫様の様な生活を送る事になり、更に一転して最後は予想もしなかった終わりを迎える。
彼女は自分を死出虫の姫と称しましたが、全然そうじゃなかったんですね。死出虫でもなんでもないただの不幸な女の子なだけ。
いくら喉が焼けた事で声が変わっていたとしても娘を間違える物なのか?もしかしたら両親も自分達を騙して娘だと思おうとしているのでないか?と思いながら読んでいましたが、まさかそうくるとは思いませんでした。見事なグルン…続きを読む - ★★★ Excellent!!!少女に自らをしてシデムシと喩えさせたもの
生まれた瞬間からひたすらハードコアな人生を送ってきた少女が、記憶を失ったフリをして他人になりすますお話。
序盤からいきなり情緒をへし折られました。ちょっとなんですかこの悪意と地獄のオールスター感謝祭みたいな状況。あまりにも救いがなく、そのうえ出口すら見えない無間の苦難。その畳み掛けるような重く烈しい描写に、読み始めて早々心を鷲掴みにされました。
お話の核そのものは非常に明瞭で、これは友情の物語です。ひたすら悪意に曝され続け、とにかく生き残ることで精一杯だったひとりの少女が、不意にそれを拾ったらどうなるのか、というお話。この描かれ方がなんとも巧妙というか、それはおそらくこれまで彼女の中に…続きを読む