困難の先にある純愛。それはまさしく、白銀のように美しく輝く物語。

「人狼」という人間とは違った価値観と生活様式を持つ種族。
主人公レティリエは、そんな種族の一員として慎ましく生活を送っていた。
だが、人狼らしからぬ「ある特徴」を持った身であった為に、種族の中では肩身の狭い生活を余儀なくされていた……。

冒頭、人狼という種族の生活の様子や、掟が明確に描かれており、主人公であるレティリエの、「狼である事」と「個人の感情」の狭間で揺れる葛藤が丁寧に描写されていて、思わず引き込まれます。

グレイルという同族の雄。村一番の期待を担う彼の葛藤、そしてここ一番で見せる男気。そこに見惚れる方も多いのではないでしょうか。

レティリエとグレイルとのすれ違い、人間との種族を超えた大きな困難。
彼女らが歩んだ道は決して平坦な道のりではなかったでしょう。
そして読み手である私たちも、その結末にたどり着くまで、まるでジェットコースターのように感情を起伏させる事となります。

しかし、読み終えた後に思うのです。

あぁ、面白ろかった、と。
もう終わっちゃったと、と。

そう、さながらジェットコースターのように。

この作品を読了した後、穏やかな心と至福の一時がきっとあなたを待っているでしょう。

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