一見するとなんの変哲もない絵画が、ある日突然牙をむくとしたら?

 よく学校の怪談などで、偉人の自画像が動き出すなんて小話がありますが、あれに特化した物語です。特殊設定を、あえて絵画に絞り込むことでオリジナリティを演出しているともいえます。

 さてどんな怪奇現象が起きるかといえば、呪い絵と呼ばれる絵画が、日常風景に馴染みながら生活を侵食して、いつのまにか人間を食べてしまうというものです。物理的なホラーではなく、精神性の強い捕食といったほうが適切かもしれません。

 そんな恐ろしい呪い絵と対峙するのが、修繕画師という職業でした。

 主人公は若い女の子ですが、ひょんなことから修繕画師の青年と出会うことで、物語が始まりました。出会った当初は、彼の職業のことを知らなかったのですが、主人公の肉親が呪い絵と関わっていたことから、脆くも日常は崩れ去りました。

 ですが、青年の手助けもありますし、主人公自身にも才覚があったため、無抵抗のままでは終わりません。いつしか主人公と青年はコンビとなり、呪い絵に立ち向かうことになります。

 さて、軽いネタバレをしつつ、内容を紹介したわけですが、物語の最後で衝撃の秘密が明かされます。どうやらこの青年には、なにか秘密があるみたいですよ。

 青年に隠された秘密とは、いったいなんなのか?

 それを知る手段はたった一つ。この物語を結末まで見届けることです。

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