リペティファクターの絵筆

神無月もなか

あらすじ

 平々凡々という言葉が似合いそうなほど、平穏な暮らしをしていた春咲千雨はある日、空腹から道端で行き倒れていた不思議な少年、白筆憑代を助ける。

 食べ物を与え、道に迷っていたらしい彼を目的地である店まで案内した千雨は「何かあったら力になると約束する」という言葉とともに、憑代から名刺を受け取った。


 翌日、千雨は兄である春咲陽也が買ってきた絵画に描かれた女性が登場する夢を見る。

 その日の放課後、陽也の恋人である絵美里からのメッセージを受け取って一緒に帰ることになったが、そのときに憑代が探していた店の話題をふる。

 瞬間、絵美里の様子がおかしくなり、強い口調でそんな店は存在しないと断言される。


 その翌日。千雨は前と同じように陽也が買ってきた絵画に関連する夢を見る。

 その日、陽也の部屋を訪れた千雨は、彼の部屋に飾られた絵画から生きた視線を感じる。気のせいだと思ったが、そのときに描かれている女性の顔が絵美里と同じであることに気付いた。

 恐怖を感じた千雨は自宅を飛び出し、再会した憑代へ絵画のことを相談する。


 その結果、世界には呪い絵という怪異化した絵画が存在すること、呪い絵は人に害をなすこと、呪い絵と戦う修繕画師という存在があることを聞かされる。

 陽也が買ってきた絵は呪い絵で、絵美里も呪い絵と関係があると言われて戸惑う千雨だったが、最終的に陽也を助けたい一心から憑代へ助けを求める。


 憑代と彼の仲間である羽々屋四季との会話の中で、自分が修繕画師と組むことで手助けができる特殊体質者だったことを知り、千雨は陽也を助けるために憑代とともに呪い絵へ立ち向かう。

 呪い絵の化身だった絵美里が立ちふさがり、彼女と戦いになる。その中で憑代もまた呪い絵であることが明らかになるが、千雨は彼を信じ、絵美里を封印した。


 日常を取り戻したあと、千雨は再度憑代の下を訪れ、彼の正式な相棒として修繕画師の世界に飛び込むことを決意するのだった。

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