第8話 決戦は紫苑色(後編)への応援コメント
今回の後編もとても楽しく読ませていただきました。
とても印象に残ったのはやはり、千雨さんと絵美理さんとのやりとりです。
筆を持って絵美理さんのところに接近することができた段階で、『呪い絵の力を削ぐ』という目的であれば絵美里さんと言葉をかわす必要はなかったはずです。
でも、千雨さんは絵美里さんの名前を呼んだ。
それは千雨さんは絵美里さんの気持ちが、絵美里さんがどうして人間になりたいのかを理解できたからなんですよね。
絵美里さんに人間の命の儚さ、絵画との違いを説明した。
もしかすると、そのことで千雨さんは逆上した絵美里さんに傷つけられてしまっていたかもしれません(例え憑代さんが護ってくれたとしても)
それでも千雨さんは言葉を続けて……千雨さんの言葉は、絵美里さんに現実を見せた。見せてくれたのだと思います。
絵美里さんに話をした場合と、話をせずにすぐに筆で手を加えたときと、結果は同じだったかもしれませんが、その過程は大きく違ったのだろうなと思います。
現実を、人間を、バルテレモンとエメリナを理解することなく呪い絵を『処理』していたら、最後の、絵美里さんが二人に……男性と金糸の髪の女性に再会して、光の中に導かれることはなかったのだろうなと思うと、
千雨さんが『ありがとう』と言われることはなかったのだろうと思うと、
千雨さんがこの決戦の場所に来たことは、呪い絵との戦いに勝つ、ということだけでない、大きな意味があったのだと思います。
憑代さんにとっても。
上手く言えませんが、千雨さんが絵美里さんをただ倒そう、ただ手を加えようとしたのではなく、
正面から向き合った上で、絵美里さんの心に手を伸ばしたことは、同じ呪い絵である『紅玉の瞳の子』……憑代さんにとっても、大きな影響(もちろん良い意味で)を与えてくれたのかな、なんて思いました。
ほんとうにすばらしいお話をありがとうございました。
最終話も楽しみです。
作者からの返信
お返事が遅れてしまい、申し訳ありません。
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
このシーン、最初は普通に絵美里を封印する方向の展開も考えました。
ですが、そうするとなんだか千雨らしくないな……と感じ、なら千雨ならどうするかを考えた結果、今の展開に繋がりました。
ある意味では、絵美里と同じ時間を過ごし、彼女を人間として認識していたことがある千雨だからこそできた選択でもあるのかなと思っています。
最終話も文字数が長めなので、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそ、ありがとうございました。
第7話 決着は紫苑色(前編)への応援コメント
今回のお話もドキドキしながら、たいへんおもしろく読ませていただきました。
今回最も印象に残っている場面は、やはり憑代さんの体についてです。
思えば、第一話から憑代さんには不思議な雰囲気がありました。
見た目は人間で……でも、『人形のように綺麗に整った顔立ちと、真っ白な髪に紅玉のような赤い瞳。まるで空想の世界から抜け出してきたかのような人物だった』と表現されているんですよね。
まるで空想の世界から抜け出してきたかのような……というこの一文が、今回の七話の最後であざやかに脳裏に思い浮かんだのです。
この、1話の段階では憑代さんの美しさを表すための描写として自然に存在していた文章が、ここに来て伏線として生きてくるのが、ほんとうに構成が上手いなあって……
憑代さんが絵美里さんの放つ鋭いトゲにより、その体を貫かれたとき、私も『まさか』と思いました。
これまで、《パレット》である千雨さんの力を受けて、絵美里さんの攻撃を防ぐことができていたから。
まさか、と。読んでいる私も、絵美里さんの……呪い絵の攻撃を甘く見ていました。
このまま、防ぎきって勝てるのではないかと。
(でも、憑代さんが千雨さんをかばったことは、まったく違和感がありませんでした。
憑代さんがかばった瞬間、6話で憑代さんが言った言葉、「でも、安心してほしい。必ず守るから」を、憑代さんは確かに守ったんですよね。
それがほんとうにかっこよくて……
そして、瀕死のケガを負っているはずの憑代さんの心臓が動いていて、体が暖かくて……
『おや?』と思っていたところで……ここで絵美里さんの言葉が入ってくるのが、とてもすばらしい構成なんですよね……
千雨さんはわからない、もちろん読み手もわからない、憑代さんは説明ができない……けれど、『敵』である絵美里さんは知っている!
これが一体どういうことなのかと、ドキドキしながら読み進めていく興奮が収まる前に、最後の絵美里さんの言葉……
「裏切り者の同族殺し――『紅玉の瞳の子』!」
最高の引き、最高の前編だと思いました……!
次回がとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
憑代の正体については、冒頭でちょっとだけ伏線のようなものを張っていました。
ちょうどbisnonさんがあげてくれた一文が、彼の正体の鍵になっていました。
でも、伏線にするならもうちょっとわかりやすいほうがよかったかなぁ……と思っているポイントでもあります。
なので、そこに気づいたうえにドキドキしながら読み進めていってくれたのがとても嬉しいです。
後編のほうも、またお時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそありがとうございました。
第6話 潜入は黒色への応援コメント
第6話もとても楽しく読ませていただきました。
今回のお話は、読んでいての安心感がとても心地よかったです。
第5話はパンセノリスでの会話でしたが、今回は呪い絵がある千雨さんの家を訪れるというシーンで……本来であればとても危険な場所です(実際に陽也さんが部屋の中で倒れていました)。
また、階段のあちこちに血のようにも見える赤い絵の具の足跡があって、自分の家という、本来であればやすらぎを得られる場所が『変わってしまった』ことがはっきりと感じられます。
でも、そんな恐ろしく変わってしまった家、おそろしい場面であっても、憑代さんと四季さんがいてくれることで、恐怖の中にも安心感があって……読んでいて、ほんとうに心強かったです。
「千雨」
「千雨ちゃん」
と二人が千雨さんのことを呼んでくれたシーン、そしてその直後、憑代さんが千雨さんの手を握ってくれて、四季さんが肩に触れてくれたシーンは、日常の中であってももちろんうれしい言葉や仕草ですが、この場面のような、恐怖の中にあってこそ輝くんだろうなと思えて。
千雨さんが手を握り返しながら笑顔を見せてくれたのも含めて、大好きなシーンです。
これまでの話で、ひとりで家の中の恐怖に襲われていた場面があったからこそ、今回感じられる心強さが生きている気がして……
呪い絵の恐怖から逃げるだけでなく、立ち向かう。一人ではなく、仲間と立ち向かうのだという構図が感じられる、すばらしい場面構成だなあ……と思いました。
また、大変な状況ではありますが、千雨さんから憑代さんへの想いが変化してきているところも大好きです。
大変な状況だからこそ、自分を護ってくれて、自分と共に立ってくれる相手が気になってしまうのは自然なことなんだろうなと、千雨さんの表情などの描写を微笑ましく楽しませていただいております。
呪い絵がおそらく、愛ゆえにこれほど美しく、そして愛ゆえにここまでの力を持ってしまったのだろうと想像できるからこそ、
千雨さんと陽也さんの家族愛、そして、千雨さんと憑代さんの間で育っている想いが、事件を解決するきっかけになるのではないかと思えたりもして。
次回もとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
今回のお話では、千雨が一人で呪い絵と接触した際と対比が出るようにと意識していました。
前回は一人、今回は仲間と一緒に呪い絵のテリトリーとなった部屋の中に足を踏み入れて立ち向かうという雰囲気を感じ取れるようにしたかったので……。
なので、そこに注目してくれたのがなんだか嬉しいです。
本作品も少しずつ終盤へと向かっていますが、またお時間があるときにでも続きをお楽しみいただけたら本当に嬉しいです。
こちらこそ、ありがとうございました。
第5話 決意は金色への応援コメント
第5話もとても楽しく読ませていただきました。
とても印象に残ったのは、千雨さんの『びょあっ』という悲鳴?です。
千雨さんとしてはほんとうにびっくりしたからこそ出てしまった声だというのはわかっていますが、パンセノリスで、しかも憑代さんから声をかけられての驚きという、安全なシチュエーションでの悲鳴だったので、とても微笑ましく感じられてすごくすきな場面です。
また、千雨さんが《パレット》になれることがわかった場面も大好きです。
これまで千雨さんは陽也さんを助けたい……という強い心は備えているものの、自分で呪い絵に対抗することはできませんでした。
そのことが、読んでいて千雨さんの感じる恐怖を引き立てていたんだなあと読み返して改めて感じられました。
(何度読み返しても、絵美理さんに背後から声をかけられたり、呪い絵が千雨さんに笑いかけるシーンなどはドキドキして、ほんとうにすごいです……)
また、千雨さんに戦う力がないと思われていたからこそ、憑代さんが千雨さんの前にもう一度現れてくれたときがほんとうに嬉しくて……
その上で、ここで千雨さんに《パレット》の素質があることが判明して……これがほんとうにすばらしいタイミング、すばらしい構成力だなあと思うのです。
憑代さんや四季さん達の頼もしさがしっかりと感じられたところで、千雨さんが二人を助ける力があることがわかって……それがとてもワクワクしたのです。
憑代さんは千雨さんの『陽也さんを助けたい』という思いを確かに受け取ってくれましたが、その上で、千雨さんも『一緒に戦える』んだ……と思えたのが読んでいてうれしくて。
《パレット》という言葉はこの5話で初めて出たものですが、これまでに千雨さんが呪い絵のことを夢に見ていたということが見事な伏線になっていて、《パレット》について語られているシーンも、良い意味で唐突な感じがしなくて……そういうことか!と、感激しました。
次回もとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
今回は、千雨にも呪い絵に対抗する力があると判明するシーンでした。
こういう異能力が登場する現代ファンタジーで、バディの片方にも実は戦える力があったと判明するという展開が好きなので……。
この作品でもそれを取り入れたい!と思い続けていたので、このような展開になりました。
今思い返してみると、パレットの設定は出てくるのがちょっと唐突すぎたかな……?と感じるポイントの一つにもなっています。
今回も楽しく読んでくれて、本当にありがとうございました。
また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
第4話 異変は紫色への応援コメント
今回のお話もとても楽しく読ませていただきました。
もなか様の「恐怖」の演出がほんとうにすばらしくて、読んでいてどきどきしました。
声を出さないように千雨さんが陽也さんの部屋を覗いているシーンも、携帯電話をマナーモードにした上で、千雨さんも声を出さなかった。
これなら気づかれることなく陽也さんの部屋から離れられるだろうと思って、読んでいる私も、安心して一息つこうと思った直後、目に飛び込んできたのが、絵美理さんの「千雨ちゃん」の声。
その後は畳み掛けるように絵美理さんの声や、足音が聞こえてきて、良い意味で恐怖を楽しませていただいたというか……ほんとうにゾクッとしました。
もなか様の恐怖の演出がすごくすきだなあと思ったのは、この場面で、千雨さんが決して振り返っていないところです。
恐怖で振り返ることができなかったのだろうとごく自然に思えて……そのことで、絵美理さんの表情が描写されることがなく、かえってこちらの想像によって、恐怖が膨らまされるという感じで……
文章なのに、頭の中にイメージが浮かんできて……想像力が刺激されて、とても感動しました。
感動したと言えば、これほどの恐怖を感じながら、陽也さんのことを深く気遣う千雨さんの思いに感動しました。
あんなに怖い思いをしたのであれば、本来なら、すぐにでも憑代さんに連絡して、呪い絵をなんとかしてほしいとか、壊してほしいと頼んでもおかしくないと思うのです。
でも、千雨さんは陽也さんのことを気遣った。
千雨さんは、大切な絵が失われたら陽也さんとの仲が悪くなってしまうことを心配していましたが、陽也さんがあの絵をそれほどまでに大切にしていることを知っているからこその心配だったのですものね。
優先すべきは陽也さんの信頼(心)よりも陽也さんの命だけれど、最初から「信頼」を無視するのではなく、「信頼」が大切なのを理解した上で命を優先する……というところに、千雨さんの葛藤と優しさと家族愛が感じられて、とても好きなシーンです。
憑代さんの『拝命した』という言葉。
短いけれど、ほんとうに頼もしく、暖かく感じられました。
短い言葉であっても、二人の間にはもう、それでちゃんと伝わる信頼関係が築かれているのだなと感じられて……ここも大好きな場面です。
次回もとても楽しみです。
ほんとうにありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
怪異風味の作品を書くにあたって、恐怖の演出は大事だと思ったポイントの一つでした。
執筆に入る前にいろんなホラー風味の作品に触れて自分なりに研究していたので、ぞくっとしたという感想がとても嬉しいです。
千雨も家族を大切に思っている女の子という一面がある子なので、その一面を上手く描写できていたんだなとほっとしました。
憑代の『拝命した』という言葉も、一種の決め台詞のようなものです。
なので、印象に強く残せたようで嬉しく思っています。
またお時間があるときにでも、続きをお楽しみいただけたら幸いです。
第3話 恐怖は極彩色への応援コメント
第3話もとてもおもしろかったです。
2話の最後で疑問に思っていたことが3話で次々と明かされ、物語が一気に動いていくのを感じました。
これまでは千雨さんが感じているように、周りで何かが起こっていることはわかっても、それがなんなのか、どうすればいいのかがわからなかったのが、憑代さんの再登場、そして憑代さんの登場……二人の説明で、少しずつ形になっていく思いがありました。
状況が解決したわけではないけれど、『呪い絵』というものが存在すること、呪い絵を封じて回収する仕事が修繕画師と呪探査士であるということが明かされたことで、暗闇に一筋の光が差し込んだような……
読んでいて恐怖や不安を楽しんでいたところに、事件の解決という、新たな楽しさの道筋を示してもらえたようなうれしさがあって。
また、憑代さんたちの説明で、この作品の中の『世界』が大きく広がった感じがしました。
千雨さんの言葉にもありましたが、作品の最初から呪い絵や呪探査士の話を聞かされたとしても、読んでいて実感が伴わなかっただろうなと思うのです。
陽也さんや絵美理さんの様子がおかしくなったこと、千雨さん自身が呪い絵からの攻撃(侵略)を受けた植での説明だからこそ、読んでいて世界観を抵抗なく受け入れられるというか……この展開がとても上手くて心地よくて、大好きです。
そして、四季さんの登場が第二話で絵美理さんに『ないよ』と強く否定されていたパンセリノスの中であったこともすごく好きです
。
1話で憑代さんを連れていった場所ですから、実在するのは確かですが、『ないよ』と否定されたことで、なおさらどんな場所なのか気になっていたので、
パンセリノスが四季さんが働く店であることや、憑代さんと四季さんの二人が集う拠点のようなものであることがわかって、『実在してほんとうによかった……』と、読んでいて心から安堵したのを覚えています。
(千雨さんの場合、自分の家も今は安心ではないから、安心できる場所があることがほんとうにうれしい……)
次回もすごく楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
前回で謎を散りばめていたので、今回で修繕画師や呪探査士、そして呪い絵たちが織りなす世界の裏の世界についての説明回になりました。
呪い絵の存在は大々的に知られていない感じなので、どうしてもここは説明的になってしまうな……と思っていたのですが、お楽しみいただけたようでほっとしています。
パンセリノスは千雨にとってのセーフハウスという印象を作りたかったので、読んでいて安堵したという感想もとても嬉しいです。
また次回も、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそありがとうございました。
第2話 不安は鈍色への応援コメント
第二話もとても楽しく読ませていただきました。
前回の第一話で陽也さんの部屋にある絵がとても気になっていたところで、今回の第二話では冒頭から夢という形で、おそらく絵についての情報が明かされ、一気に引き込まれました。
まず間違いなく絵と関係があるだろうと思わせつつ、夢という形ではっきりとは明言せず、情報も全てが明らかになっていないところが、とても上手いなあ……と感動していました。
また、夢の中の女性と男性が、とても幸せそうだったことも印象に残りました。
1話で絵に対して不気味さを感じていたのに、絵と同じ金色の神をしている女性が夢の中では幸せそうであったこと、
そして、最後のシーンで陽也さんをやさしく支える女性が一瞬見えたこと……けれど、陽也さんは疲労していること……
読んでいていくつもの『謎』が提示されて、これからの展開がどんどん気になってきます。
印象に残ったところと言えば、2話全体の文章の構成もとても好きです。
学校で友達と楽しそうに話したり、絵美理さんとのメッセージでの会話と、和やかなシーンが続いていたところだったので、直後の絵美理さんの「ないよ」が良い意味で非常に衝撃的でした。
絵美理さんに対するイメージが一気に変わって、読んでいてとてもドキドキしました。
絵美理さんがやさしいひとなのは事実だけれど、でも『それだけではない』ことが明らかになって、
千雨さんの周りの環境、周りの人間、そして千雨さん自身の日常が少しずつ、けれど確実に非日常に侵食されていく……その緊迫した雰囲気の演出がほんとうに上手い……
第一話に続いて第二話も、ひとつの章(話)の中での雰囲気の上下がとても心地よくて、あっという間に読んでしまいました。
次回もとても楽しみです。
ありがとうございました。
作者からの返信
今回も嬉しいコメントをありがとうございます。
1話から引き続き、2話でも日常の中に侵食する非日常にスポットを当てているつもりです。
1話では日常生活を送る環境中に染み出してくる違和感、2話では身近な人物の豹変という形で非日常側を表現したいなぁと思いながら執筆していました。
なので、衝撃的だったという感想がとても嬉しいです。
また続きのほうも、お時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
こちらこそ、ありがとうございました。
第1話 出会いは白色への応援コメント
「リペティファクターの絵筆」第一話、とても楽しく読ませていただきました。
穏やかな冒頭から一転、出会いの場面が衝撃的で、そのまま一気に読み進めていました。
現代において町中で子供が倒れているというだけでも大事なのに、臙脂色の着物に黒い袴、背中には木箱と、特徴的なビジュアルで、ますます気になりました。
そして倒れていた憑代さんをすぐに助けた千雨さんのやさしさがとても好きです。
人が倒れているところに出くわすという突然の非日常の中でも、介抱して、食べ物を与えて、道案内をして……と、自分にできることを一生懸命する子なんだなと感じられて……
また、助けられた憑代さんも好きです。
財布をなくしてもなんとかなるだろうという、ちょっと不思議なところはあるけれど、夢中でおにぎりを食べるところ、そして助けてもらったことにお礼を言うところなど、
まだわからないことが多い憑代さんという少年がどんどん好きになるのでした。
わからないと言えば、憑代さんの肩書、【修繕画師】もどんなものなのか明かされておらず、とても気になります。
修繕という言葉、画という言葉から、絵を修復する仕事なんだろうなというのは想像できますが、それがこの作品をどのように彩ってくれるのだろうと、ワクワクが止まりませんでした。
そう思っていたところに、千雨さんの家や家族の様子が描写されて、絵美理さんとの会話を楽しく読ませていただいていたところで、陽也さんの部屋に存在する『絵』の存在が明かされるところが、展開が実に自然で……
自然なのに、とても衝撃的で……物語の第一話としてほんとうにすばらしいなと思いました。
登場人物の名前もとてもきれいで印象に残りました。
春咲千雨さん、白筆憑代さん、羽井絵美理さん……全員が美しく特徴的な名前で、ひと目で覚えてしまいました。
千雨さんとお兄さんの陽也さんの名前が雨と陽で対になっているところもすきです。
次回以降のストーリーはもちろん、登場人物のみなさんの名前を読むのも楽しみです。
このお話を読むことができるのがうれしいです。
ありがとうございました。
作者からの返信
嬉しいコメント、ありがとうございます。
本作品は、怪異物風味ということもあり、日常の中に潜んでいる非日常を意識して書いていました。
第一話は特にその部分を意識していたため、出会いの場面が衝撃的といってもらえて嬉しいです。
また、登場人物の名前もそれぞれのイメージに合うように……と思いながら考えたので、印象に残ったという感想が本当に嬉しいです。
本作品もまだカクヨムに投稿しはじめたばかりの頃の作品なので、読みづらい部分が多くあると思います。
それでいて一話一話が長いので、お時間があるときにでも続きをお楽しみいただけたら幸いです。
最終話 終幕は虹色への応援コメント
読了、とても面白かったです!
絵具が香ってくるような丁寧な描写や(学生時代に触れてた油絵具を思い出しました)、ごく普通の精神性を持ちながらも愛情の深い、そして勇気のある千雨さんの移り変わる心模様も、読んでてすごく迫ってきました。
題材も好きなものでしたし、楽しい時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました^ ^
作者からの返信
読了コメントまで、わざわざありがとうございます。
絵画をテーマにした作品なだけに、絵画に絡んだ描写はしっかりしたい……!と頑張ったところでした。
いろいろと挑戦した作品でもあるので、楽しんでいただけて本当に嬉しいです。
こちらこそ、少々長い物語ですが最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。
とても励みになります。
第1話 出会いは白色への応援コメント
とても丁寧で読みやすい文章と面白いお話で、惹きこまれました。
続き、楽しみにしています(*^_^*)
作者からの返信
コメントありがとうございます。
できるだけ読みやすくなるように……と意識しながら書いていたので、そういっていただけると嬉しいです。
続きも少しずつですが公開していくので、のんびりとお待ちいただけたら幸いです。
最終話 終幕は虹色への応援コメント
最終話、最後までほんとうに楽しく読ませていただきました。
憑代さんも、陽也さんも……もちろん千雨さんも無事でほんとうによかった……と、読みながら何度も安堵していました。
命が無事だったことにほっとしたあと、次に気になったのは陽也さんの絵美里さんへの思いについてでした。
陽也さんが絵美里さんのことをすっかり忘れてしまっていたのは、少しさみしい思いもありましたが、でも、うまく言えませんが、まさに『絵』のようだなと思いました。
どれほど凝った絵であっても、その上から別の色で塗りつぶしてしまえば、元の絵は見えなくなってしまう。
けれど、職人(修繕絵師)の手によって丁寧に上の色を取り除けば、元の絵は息を吹き返す。
陽也さんの中の絵美里さんの記憶もそのようなものだったのかなと思います。
憑代さんや四季さんの手によって、『呪い絵』という色を取り除かれることによって、陽也さんは元の陽也さんに戻ることができたのだ……と。
これは読み手の私が勝手にそう感じただけなのですが、絵にまつわるストーリーであり、作品全体がが最初からブレることなく、一貫していて、丁寧にまとまっているからこそ浮かんできた感想なのかと思いました。
そして、仮に信じてくれるかどうかは別として、千雨さんは陽也さんに呪い絵のこと、絵美里さんの正体のことを話すことはできたのですよね。
でも、陽也さんの『これから』を考えれば、呪い絵に関係することは可能な限り忘れたままでいた方がいいのですものね。
真実を自分の……自分だけの胸の中に秘めたままでいることを決めた千雨さんの心の強さと家族愛が改めて感じられる、すばらしい場面だったと思います。
また、千雨さんと憑代さんの関係も、とてもすてきで大好きな場面です。
憑代さんの正体を知った上で……憑代さんも呪い絵であるということだけでなく、憑代さんが呪い絵として生まれた状況や、危険性(これからも人を食べないわけではない。何か新たな目的が生まれれば人を食らう可能性もある)も理解した上で、憑代さんを支えたい、助けたいと伝える千雨さんがこれ以上なくまぶしく、美しく見えました。
第一話からもう一度読み返して今回もとても楽しくて。
第一話で千雨さんが憑代さんの恩人になり、事件の解決の際には憑代さんが千雨さんの恩人になって。
その間にも何度も、お互いがお互いを助け合って、支え合って……単に千雨さんが呪い絵に関する危険を多く経験したというだけでなく、憑代さんと共に過ごす時間が多くなって……
色が混ざりあって新たな色が生まれるように、非日常が日常に混じり合っていく中で、二人は相棒として成長してきたのだなと思えました。
最高のボーイ・ミーツ・ガールをありがとうございました。
このお話と出会うことができてよかったです。
作者からの返信
読了コメント、ありがとうございます。
そして、最後まで本作品にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
最後の最後で説明的になってしまったかなと心配する面もありましたが、お楽しみいただけたようでほっとしました。
絵画をテーマにしつつ、主人公の千雨の成長、日常と非日常の存在など、本作品はいろんな挑戦をしてみたお話でもありました。
出会うことができてよかったというbisnonさんのお言葉が本当に嬉しいです。
こちらこそ、ありがとうございました。