応援コメント

第7話 決着は紫苑色(前編)」への応援コメント

  • 今回のお話もドキドキしながら、たいへんおもしろく読ませていただきました。

    今回最も印象に残っている場面は、やはり憑代さんの体についてです。


    思えば、第一話から憑代さんには不思議な雰囲気がありました。
    見た目は人間で……でも、『人形のように綺麗に整った顔立ちと、真っ白な髪に紅玉のような赤い瞳。まるで空想の世界から抜け出してきたかのような人物だった』と表現されているんですよね。

    まるで空想の世界から抜け出してきたかのような……というこの一文が、今回の七話の最後であざやかに脳裏に思い浮かんだのです。

    この、1話の段階では憑代さんの美しさを表すための描写として自然に存在していた文章が、ここに来て伏線として生きてくるのが、ほんとうに構成が上手いなあって……


    憑代さんが絵美里さんの放つ鋭いトゲにより、その体を貫かれたとき、私も『まさか』と思いました。
    これまで、《パレット》である千雨さんの力を受けて、絵美里さんの攻撃を防ぐことができていたから。
    まさか、と。読んでいる私も、絵美里さんの……呪い絵の攻撃を甘く見ていました。
    このまま、防ぎきって勝てるのではないかと。

    (でも、憑代さんが千雨さんをかばったことは、まったく違和感がありませんでした。
    憑代さんがかばった瞬間、6話で憑代さんが言った言葉、「でも、安心してほしい。必ず守るから」を、憑代さんは確かに守ったんですよね。

    それがほんとうにかっこよくて……


    そして、瀕死のケガを負っているはずの憑代さんの心臓が動いていて、体が暖かくて……
    『おや?』と思っていたところで……ここで絵美里さんの言葉が入ってくるのが、とてもすばらしい構成なんですよね……

    千雨さんはわからない、もちろん読み手もわからない、憑代さんは説明ができない……けれど、『敵』である絵美里さんは知っている!
    これが一体どういうことなのかと、ドキドキしながら読み進めていく興奮が収まる前に、最後の絵美里さんの言葉……
    「裏切り者の同族殺し――『紅玉の瞳の子』!」

    最高の引き、最高の前編だと思いました……!


    次回がとても楽しみです。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    今回も嬉しいコメントをありがとうございます。

    憑代の正体については、冒頭でちょっとだけ伏線のようなものを張っていました。
    ちょうどbisnonさんがあげてくれた一文が、彼の正体の鍵になっていました。
    でも、伏線にするならもうちょっとわかりやすいほうがよかったかなぁ……と思っているポイントでもあります。
    なので、そこに気づいたうえにドキドキしながら読み進めていってくれたのがとても嬉しいです。

    後編のほうも、またお時間があるときにでもお楽しみいただけたら幸いです。
    こちらこそありがとうございました。