第5話 まだまだ花火は

アヤ『もぉ〜!!』


こうた「牛かっ!」


アヤ『もぉ〜、もぉ〜!』


こうた「牛が二頭…」


アヤ『いやぁー、暑いのいや〜!』


こうた「エアコンあるじゃん。」


アヤ『外に出たらないじゃん!』

アヤ『暑いのっ!毎日っ!』


こうた「言いたいだけでしょっ。」

こうた「祭り終わったら急に暑くなったような気がするけどねー。」


アヤ『チョコバナナ感謝してよねっ!』


こうた「俺もりんご飴あげたし。」

こうた「しかも、チョコバナナもらったの1日後だし。」


アヤ『だからさー、冷蔵庫には入れたけど、間違えて上から2段目に入れちゃったって言ってるじゃない。』

アヤ『ちゃんと次の日に入れ直したし。』


こうた「冗談だって〜。美味かったし。」


アヤ『花火大会もうすぐねっ。』

アヤ『浴衣着るの〜。友達と一緒に!』


こうた「そっか。花火大会か〜。」

こうた「俺は会社の人たちと行く予定。」


アヤ『そっか。』

アヤ『私はジムで仲良くなった友達!』


こうた「そっか。ジムで鍛えてるって言ってたっけ?」


アヤ『プールあるし、暑いから気持ちいいじゃない?』


こうた「もしや、プールがメイン?」


アヤ『いいのよっ。目的なんて。』


こうた「まっ、体動かすのはいい事だし、俺も行こうかな?ジム。」


アヤ『いいかもよー。運動するのはっ。』

アヤ『あ〜、花火楽しみー!』


こうた「たしか、お祭りの時もはしゃいでたなー。」


アヤ『楽しいじゃない?そーいうのっ!』


こうた「まっ、そーだな。」


この地域はそんなに都会じゃないので、お祭り、花火大会は、地域住人にとっては年間の2大イベントである。

そんな、夏のある日コウタの会社では…


支店長「今年はパラソル置いちゃったり?」

主任「いやいや、花火ですよー。」


なにやら盛り上がってる。

っと、そこへ事務のおばちゃんが、


ヨシエ「そーいや、こうちゃんはじめてだから何の事?だよね。」

こうた「はい。そんな感じです。」

ヨシエ「もうすぐ花火大会でしょ。当日このビルの屋上貸し切りで、そこでみんなで花火みるの。ビルのオーナーのおじいさんが毎年貸してくれて。」

こうた「あ、それで結構前から、花火大会はみんなでみようって言ってたんですね。」

ユウコ「楽しいわよっ!みんなで敷き物とかに座ってー。」

ヨシエ「それ一昨年だよー。去年はキャンプ用のイスとテーブルだよ。」

ユウコ「あっ、私、去年みんなと見てなかったんだった〜。」

ヨシエ「そーだよっ。去年はジジ、ババ3人で花火大会だったんだからさぁ。」

ユウコ「今年は私もいるし、こうたさんもいるから楽しいじゃないですかっ!」

支店長「いゃ〜パラソルー、ダメか〜。」

主任「見えないでしょ?花火がー。」

主任「あっ、今年は準備、まかせたっ!」

こうた「えっ?あっ、はい。」

支店長「まかせたっ!はっはっは〜!」

こうた「あっ、はいっ。頑張りますっ!」

ヨシエ「大丈夫、大丈夫。そんな頑張らなくてー。なんだかんだ準備とか好きなんだよ〜、このおっちゃんがたはさぁー。」

ユウコ「あー、盛り上がってきたっ。なんか楽しみですねー。」

支店長「じゃっ、今年は焼いちゃう?」

主任「無理ですよっ!肉焼くのはっ。」

主任「それ、毎年言ってますけど、ビルの屋上ですからねーっ。」

支店長「く〜っ、今年も無理かーっ。」

主任「今年も、じゃなく、むしろずっと無理ですからねっ。焼くのは。」

主任「今年も色々買っときますから。」

ヨシエ「焼き鳥はもう予約したよ。」

主任「ビールサーバーは当日昼過ぎには届くようになってます。」

支店長「よしっ!あとはー、」

主任「スイカは当日、一応予約してます。」

こうた「なんか、すごいですね〜。」

主任「しかも、当日は土曜日なのに全員休みで昼過ぎからスタート。」

ヨシエ「そーそー、花火上がる頃にはビールなくなってねー。」

主任「今年は大丈夫。沢山飲めます。」

ユウコ「やった〜!」

支店長「いいねー。うんうん。今年は盛り上がりそーだなー!」


なんかまだよくわからないが、結構盛り上がっているので、楽しみになってきたのだ。


アヤ『そっか〜。なんか楽しそう〜!」


こうた「俺、初参加だけど、みんなは毎年恒例行事みたい。」

こうた「でも、みんなの話聞いてたらなんか楽しみになってきた。」


アヤ『場所的にも結構花火大きく見えそうよね。多分。』


こうた「結構大きく見えるらしいよ。」


アヤ『いいねー。なんかワクワク。』

アヤ『ほら、花火大会楽しみーって私だけ言ってる感じだったから。』


こうた「そうなんだよな。俺全然盛り上がってなくてさぁ。」

こうた「でも、今はかなり楽しみ。」


アヤ『ホント楽しみ〜!』


そんなこんなで…

花火大会当日のこうたの会社では、午前中からみんなでバタバタと。


主任「こうたこれっ、屋上によろしく!」

こうた「はいっ!」

支店長「あーっ、いい天気で何より。」

こうた「クーラーボックスはここに置いときますねっ。」

ヨシエ「けど、こんなイベント用のテントなんかよく借りれたもんだよねー。」

主任「毎年花火までが暑いから、支店長はパラソルって言ってたけど。」

主任「一度パラソルも却下したけど、昼間暑いの思い出して〜。」

ヨシエ「まっ、これなら暑くないし、花火みる時テーブルとイスずらせばいいしね。」

ユウコ「主任、ビールサーバー下に届きましたよ〜。」

こうた「じゃっ、僕がっ。」

ユウコ「私も手伝うね。」

こうた「よいしょっ。」

ユウコ「よいっ、しょっ。」

こうた「ユウコさん、無理しなくて大丈夫だよ。俺もってくから。」

ユウコ「大丈夫っ。ふぅ〜。今動いとくと後でおいしいでしょっ。ビールがっ!」

こうた「まっ、たしかに。」

主任「おー、届きましたかっ!」

支店長「おー、きた〜っ!ビール!」

主任「ちょっと待って下さいっ!」

ヨシエ「テントにサーバーに、まるでお祭りだねっ。」

ユウコ「よいしょっ!」

こうた「っしょっ!」

主任「よしっ、これで揃ったか。」

ヨシエ「あとは夕方焼き鳥予約したやつを取りに行くだけだ。」

こうた「あっ、それ夕方僕行きますね。」

ヨシエ「じゃあ。ユウコちゃん場所知ってるから一緒にお願いねー。」

ユウコ「りょーかいですっ!」


支店長「あーっ、それではみなさんっ、え〜っ、この良き日に…」


「カンパーイ!!!」


真っ昼間っからの宴会。

まだまだ花火は上がらない。


第6話に続く











  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る