澄んだ空気とダルトーンに彩られた大人の時間

近いようで遠い場所。遠いようで近い心。
深い緑に囲まれたカフェにはお気に入りの蔵書。
雑踏から透明感のある空気を求めに来る孫娘。
セピア色の大切な思い出を、当時と同い年くらいの孫に受け継ぐ祖母。

カウンターの小さな傷や、温かみのある白熱灯の灯り、木枠の本棚、白い陶器のシュガーポット、小さなグラスに挿した名も知らぬ野辺の花が、描かれてもいないのに目の前にありありと浮かんで来て、行間から漂ってくるコーヒーの香りとともに脳内を占拠する。

週末にでも行ってみようか。

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