あとがき:御礼
本作品はゆあん様の自主企画『筆致は物語を超えるか【雪を溶く熱】』参加作品として執筆いたしました。
こちらの企画は指定されたあらすじに沿って、自由な解釈・設定・構成……によって様々な書き手の方々の表現や作風の違いを味わう……というご企画です。
今回の指定プロットは以下の通りです。
*****
■作品名
「雪を溶く熱」
■登場人物
・美冬(みふゆ)
地元から出た事が無い。秋人とは幼馴染だが、疎遠だった。
・秋人(あきひと)
地元を離れる事になる。旅立つ前の晩、美冬の元に訪れる
■ストーリー
しんしんと降る雪の晩。
美冬の元に突然、疎遠になっていた幼馴染、秋人が訪れた。
秋人は地元を離れることを告げると、立ち去った。
翌朝、美冬は離れた所で秋人の旅立ちを見送る。
やがてその姿が見えなくなった時、流れだした涙に自分の心を知るのだった。
*****
前々回企画にあたる【海が太陽のきらり】に参加した際、自分の中の引き出しや感性、他の参加者の方々の着眼点や発想に、非常に刺激を受けることになりました。
また機会があれば……と機を伺っていました。
そして今回。
【雪を溶く熱】という極めてエモーショナル・ハードコアなお題を見た瞬間、自分の中の何かがハジけ、
「直木賞受賞作が『熱源』というタイトルであったことからも、空前の熱源ブームであることは確定的に明らか」という明晰な論理、「チェンソーマン最高!」という裂帛の意志でもって執筆させて頂きました。
特撮大好き! という気合で突っ走った本作ですが、モンスターパニック系の洋画やSCPなども大好きなので、「町にヘンテコなものがあるんです。でもそれって、実はやべーやつなんです」という流れにしたいな、という漠然としたところから、怪獣を軸にして、美冬と秋人の剥き出しの感情と葛藤、最後のカタルシスを何とか描きたい、と構想を膨らませていきました。
レギュレーションの関係もあって結果的にあまりモンスターはしっかり描けない感じになってしまうのですけど、自分でこういった作品を書いてみると、怪獣モノだからこそフォーカスして描けることってやっぱりあるんだな……という学びがたくさんありました。
(子どもの時分にゴジラやガメラを見ていた時は、人間パートは早送りするだけの火力原理主義者だったのに、そう考えるとオトナになってしまいました……)
文量も多く、甘い部分、独りよがりな部分、至らない部分がたくさんある作品かと思いますが、
自分以外の、たったひとりの方にでも何かが伝わるような、ぐっと心が動かせるような作品になっていたとすれば、これ以上嬉しいことはございません。
改めまして、企画主のゆあん様に御礼申し上げます。
企画のお陰で、私としても思い出深くなる作品を作成できたと感じています。本当にありがとうございました。
雪を溶く熱 文長こすと @rokakkaku
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