聖女の末裔と最強の悪魔が紡ぎ出す激しく切ない恋の行方は……?

聖女と悪魔の恋物語――禁断の恋物語を扱うテーマの一つとして良く見かけますが、こちらの作品はとにかく心に杭が突き刺さるほど切なく激しい物語です。
作者様のうみ出される豊富且つ美麗な言葉の嵐に、あっと言う間に引っ張り込まれてしまいました。蠢く闇の中で、進めば進むほど真綿で首を絞められるような切ない展開。

ヒロインであるルシェラは聖女の末裔。彼女は訳あって前世の記憶を失っており、嘗て最強の悪魔であるレヴィリウスを愛していたことさえも覚えていない。それでも迫ってくるレヴィリウスの激しい想いに彼女は戸惑いながらもどんどん惹かれていきます。闇へと引きずり込まれてゆく様は圧巻です。

ルシェラが失われた記憶を取り戻した時、レヴィリウスの熱い想いが彼女にやっと通じたその瞬間、涙が止まらなくなりました。

相手が記憶を失っていても、一途に想い続ける悪魔……良いですね。
こんな悪魔になら是非毒されたい。

切ない物語がお好きな方に是非ともおすすめな作品です。

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