小説? いいえ、この作品は洋画です!



機械頭のユウヒと主人公野菊が出会ったのは、学園祭の体育館——ダンスフロア。
野菊はその日を境にユウヒの存在にだんだんと惹かれていくのですが、二人を結ぶ縁には秘密があって——

この作品はまるで洋画を鑑賞しているような錯覚に陥ります。洋書を翻訳したような独特な表現描写には思わずため息が漏れるほど完成されており、ページを捲る指が止まりません。

そしてこの物語に登場するキャラクターたち。一昔前の『機械頭』を使い続けるユウヒ、誰にも言えない過去を持つ野菊、そして彼女を支えるルームメイトたち。派手でイケメン、住む世界の違う人間のはずなのに何故かユウヒを気にかけるクリストファーなどなど。
扱うテーマは重たいものの、この魅力的なキャラクターたちが読者を退屈させることは決してありません。見事と言わざるを得ない伏線回収にはあっと驚かされること間違いなし!

技術の進歩により、機械の義体が一般的な世界。そんなちょっと未来の世界のボーイミーツガールストーリー! クラブミュージックに彩られた鮮やかなラストをぜひみなさんもご覧ください!

その他のおすすめレビュー

リンダ3月さんの他のおすすめレビュー32