舞台は度重なる戦争で核汚染された地球。一部の力のある人間だけが月へ避難し、多くの人間は地球に取り残された世界。
本作はそんな月の人類と地球の人類との、星間距離約三十八万キロの交流を描いた作品です。
ある少年は毎日、地球上に数カ所設置されていた『交信機』を用い、「月に住む君」へ宛てて月の写真を送ることを日課としていました。しかし、資源や技術が絶えた地球では、『交信機』が故障しても修理できる人間はもういません。ついに『交信機』は最後の一機となり、そしてやがてそれも——?
終わりゆく地球で、最後の交信を試みる少年が選んだもの。
私はここから、「どうしようもない」「諦めろ」と絶えず囁かれる生活の中で、自分の意志を持つことの大切さ感じました。人が何かの想いを持って事を為すとき、それは必ず誰かに届くのだと、勇気をもらえました。
何かに挫けそうなあなたへ。もうひと握りの勇気が欲しいあなたへ、ぜひおすすめしたい作品です。