カワイイ! アツイ! カワイイ!

カワイイ細胞より生まれる無限大のパワー……それを使いこなす「カワイイカラテ」。この設定の時点でもはや面白いこと間違い無しなのだが、その期待はどちらかというとコメディ方向でのものだった。まさかそこから世界観が深掘りされていくごとに強く大きくカワイクなっていくとは、恥ずかしながら予想していなかった。いやはや、あっぱれと唸るばかりである。
カワイイとは何か。肯定である。
カワイクナイとは何か。否定である。
だが実際、世の中頭のてっぺんからつま先、そして性格まで全てカワイイ存在がいるだろうか。カワイクナイが微塵も含まれない人間など、いるものだろうか。
この物語は(というか、かぎろさんの描く物語の多くは)、人間賛歌に溢れている。色んな人間がいて、その多様性にそれぞれの良さがあることを肯定してくれる。

カワイイは作れる。
それは、カワイクナイがあるからこそ。
カワイクナイを知らない人間に、カワイイは語れない。

ここまで言った上で、あえて言おう。

この作品は、「カワイイ」の塊である!!!

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