傑作再び。

芦田愛菜氏が首相となる未来を描いた傑作『AAゴールデンエイジ』に連なる作品を読むことができたことに、何よりもまず感謝したい。
女装家であるディナビッグ氏がその場その場で自身に求められていることを汲み取り、新党を立ち上げから始まり、やがて日本に21年ぶりの政権交代へと至る激動をつぶさに描写していくのが本作である。選挙・政治についての圧倒的な知識量もとてつもないが、何より特筆すべきはその知識を一人の女装家が政治家が首相となるストーリーとして構築する構成力である。とりわけ前作からさらに密度を上げて描かれる選挙戦は圧巻であった。
妥協の無いリサーチと内容だけでなく、ギャグもまた作者の魅力である。政権交代をなし得た後のシャワーシーン、それとお約束とばかりに末を締める場所に笑うばかりであった。
『AAゴールデンエイジ』を読んで圧倒された皆様、ぜひぜひご一読を。