概要
インターハイ出場を夢見て、高校三年間懸けてバレーボールに打ち込んでいた菜乃やそのチームメイト。
2020年、夏。インターハイ中止が決定し、菜乃たち三年生が下した決断。
先輩の気持ちに応えた後輩たちがとった行動とは?
ボールを追いかけた三年間の集大成を発揮させるはずだった夏の、物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あの夏も生きていた。必死に。
コロナ禍の高校生は、青春を突然奪われました。
インターハイも、体育祭も、修学旅行も、私たちはありませんでした。世間からは空白の期間で高校生活をしていたと思われているでしょう。
でもね、あの夏も生きていたんですよ。必死に。
2020年、あの夏も青春はあったんですよ。
急に部活をするな、だとか。
急に会話は必要最低限、学校も来るな、とか。
「楽しい」も「目標」も「夢」も「憧れ」も全部、奪うなって思っていた。奪われてたまるかって意地になっていた。
朝田さやかさんの物語は、苦しいほどに爽やかで、鮮やかで、青春が鮮明です。
バレーボールの感触も、泣くほど悔しい心の痛みも、全部含めて「生きてい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大人にもあの頃の熱を灯す良作。
部活をやってきた人たちにとって、ある意味当たり前に存在していた「最後の大会」
それを奪われた主人公の喪失感や苛立ちや熱量、それらがとても自然で、等身大な文体で描かれているのが良かったです。
あの頃の、熱。あの日々でしか感じられない感情の揺れ動き。
大人になった自分も思わず瞳を潤ませました。あんなに素直に感情を出せる日々が自分にもあったなあと……。
文章としては、読みやすく、癖のない文体だなという印象を受けました。もちろん、良い意味で引っかかりを感じない滑らかな文章、という意味でです。
あえて課題を挙げるなら、情景描写で読者の心に残るワンフレーズがあればなあと個人的には感じました。小…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まさかの幕引き、青春と目標とするゴールを犠牲に得たものとは……。
本作品は、バレーをテーマに描かれた素敵で切ない作品。
練習試合のシーンなんかも綺麗に描写されている短編になってます!
目指すべきゴールが消える。
私も部活をしていた学生時代を思い出しながら、読み進めました。
ジャンルは違えど、友人と共に目標に向かって絶対優勝しよう!と、学生時代は真っ直ぐに引退まで部活の日々に明け暮れましたことが、目に浮かびます。
今年、2020年は胸が苦しかったのを今も覚えています。
目の前で絶望に打ちひしがれていく後輩たちを見て、正直言葉が見つかりません。
「青春」を感じられる大きな理由の一つは、部活動。
時には喧嘩して、時には褒め合って、泣いて、逃げ出したいときもあ…続きを読む