中学時代特有の友人関係、恋愛観、感情のオーバーヒート、それらが丁寧に書かれていて、切なくて、たしかにこの物語はどこかであったのだろうし、またいろいろな場所でありえたんだろうな、と感じます。ガラケー世代の青春という時間軸も、いまとして振り返ってみると、なにか不思議な距離感があります(近すぎず、遠すぎず)。何かを解決してくれるわけじゃないんだけど、見守ってくれる大人という存在がどれほど大切なものなのか、最後のシーンの構成で力強く訴えかけます。中村香織ちゃんにもそういう存在が、どうかいてくれますように。
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