人間の姿をしていなくとも、人間らしい何か

読み終わったあと、エゴって何だろうな、と哲学的なことを考えてしまいました。

文豪の未完の作品を読みたいとクローン脳を活用することは、ある意味エゴ(利己的)で、
主人公が仕事を終わらせたいと文豪を追い立てるのもエゴ(自己中心的)で、
文豪の脳が奮起するまで至る過程もやっぱりエゴ(自尊心)からで、

SFでありながらも、そんな思いの重なり合いが見えるヒューマンドラマでもある、そう思いました。


人間の姿をしていない先生なのですが、事あるごとのセリフや描写からはすごく人間性を感じます。
脳となっても夢を追うエゴ(自我)があるためなんでしょうかね?


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