企画主としては満点をあげない訳にはいかない、構成の妙が光る秀作。

本作の妙は、その構成にある。
いわゆる青春群像劇であるが、それらはある相反するキーフレーズから始まっており、主要人物の心情を表している。
彼らに何があったのか、なぜそう思わなくてはならなかったのか。
それらが一つになった時、時間を超えた物語になる。

本作はあらかじめ指定されたプロットを元に書き下ろされたものだが、その数ある作品の中で最も「構成」に工夫を凝らした作品と言える。
さらに驚いたことに、過去の著者作品の中から登場人物が実に自然に登場しているのである。

これらのレギュレーションを遵守した上で、破綻させることなく極上の物語に仕上げている。
企画主として、そして一読者として、広くおすすめする。

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