薫風は連れてくる。苦い過去の思い出も、未来へ続くまばゆい光も。

日々に草臥れた冴えない中年教師・葉太と、受け持ちの女子中学生・桜子。
本来なら、学校でもろくに言葉を交わすことのない二人の共通点は……格闘ゲームが心の底から好きなこと。

「先生。ゲームに夢中になるってくだらないことなの? こんなに、真剣に取り組んでいるのに?」

桜子からの真剣な問いに、かつて同じ道を歩んできた葉太はどう答えるのか……。

桜子ちゃんがほんとに元気でまぶしくて、草臥れて苦みを漂わせる葉太先生は大人の心に突き刺さって……。
読みながら、思わず自分の心を覗き込んでしまいました。

ラストはお見事の一言。

ちょっとビターな、けれども読後感は爽やかな物語、ぜひお読みくださいっ!

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