5年後にここで……。ふたりの純粋な想いを阻むのは、焦土と化した巨大都市

 初めての陸上の大会、自分の力を発揮できず、次に進めなかったことを悔やむ主人公。
 競技場の側にある人影のない桜の木の下で蹲り泣いた。

 そんな主人公に、見たこともない少女が話しかけてきた。
 その少女は、自分は、この地区大会にさえ出られなかったと告げる。彼女の寂しそうな雰囲気が無駄に、主人公の胸には響いた。

 そして、主人公と少女は、5年後のこの日に再会しようと約束する。

 5年後……、主人公たちを包み込む環境が一変した。約束の地は、焦土と化し、都市封鎖された、かつての首都東京の中にあった。

 あとは……、読んでください。
 せつなくなります。優しくなれます。胸が熱くなります。

 この、泣けないわたしですら、泣きそうになりました。それほどの物語。
 どうして、願いは叶わないのだろう……。いえ、叶ったんだ、きっと……。

その他のおすすめレビュー

浅葱 ひなさんの他のおすすめレビュー389