婚約破棄された剣の復讐
ニート
第1話
キンキンドンっ!!
ゴロゴロゴロォオ……!
「アルトぉおおおおおおおおお、勝負あり!!」
見事なまでの圧勝だった。しかし本当の勝負に負けたのは私だったようだ……。
「お前のような野蛮な女と誰が結婚などするものか、破棄だ破棄、お前との婚約をここで破棄する!」
家の家訓は"どんなことにもどんな状況でも全力を尽くせ"であった。しかしそれをした結果私は一族の汚点となったのである。
「もうお前は勘当だ、二度当地の敷居をまたぐことは許さん!!」
全てを失った私が命まで失うのにそう時間はかからなかった……。
***
……わたしは本気で悩んでいた。無理しながら食事制限はやっていた……でも縦に伸びるのはどうしようもなかった。成長期なのだから当たり前だ。物心つく前から体操競技の世界でずっと今まで頑張ってきた…もちろん中学に入っても続けていくつもり……だった……けれど現時点で6フィート2.875インチ……平行棒をやるとどう頑張っても足がバーに当たってしまう、床は走ればすぐラインを出る始末、もう限界だと指導者についに言われてしまった…すべてが終わったと思った。これから何のために生きていけばよいのか?バレーやバスケを勧められたが団体競技はどうも性に合わないのは気付いていた。
では個人競技となるとどうだろうか……陸上部はここにはないみたいだしテニス部もなんかチャラそうな感じだったなあ…卓球は陰キャのチーズ牛丼顔ばかりでとてつもなく気持ち悪かったしどうもしっくりくるものが見つからない…まあ自分がずっとやってたものの代わりなんてそう簡単に見つかってもらっても、それはそれでプライドが許さないという気もするけど……。どこかに当たってない部活ってまだ残っていただろうか?
個人競技なら格闘技とかかな、空手にボクシング、あとレスリングに柔道とかあるけど怪我も多そうだしなにより階級があるのならまたいままでのように苦しい食事制限をしながら計量まで減量生活するというのを繰り返さなければならないのだろうな、まあ計量が終われば食べられる分体操を続けるようりはまだマシなのかもしれないが今の自分より弱くなるために格闘技をするというのはなにか矛盾してないだろうか?
そんなことを思いながら3年間頑張れるわけなんてないだろう、となるとやっぱり無理……
「ねぇ! あなた、もしかしてまだ入る予定の部活決まってないとか?」
「……!?」
声がしたほうを振り向くとそこにはなんと、私と同じぐらいの背丈で恰幅の良い大人が立っていた。
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