第10話

 機械音が響きランプが点灯する、どっちだ?見ると赤と緑両方のランプが光っている…これは…!?



「アタックノン、パラード・リポスト・トッシェ、ポアン」



「ドゥーザゼロ(2-0)!」




あ、これも相手のポイントになるのか?確か昨日エペでは同時に突いた場合は両方にポイントが入るって

言ってたような……



「さて、新人ちゃん、今のフレーズはおわかりいただけたかな?」



「え、何ですかそれは……?」




いったんマスクを取って聞いてみることにする。


「さっき新人ちゃんが前に出ながら剣を出したところで、ブースターちゃんがそれをを自分の剣であなたの剣を叩きはらって逆にあなたに攻撃し返したでしょ?相手の剣を自分の剣で叩くことで叩いた側は攻撃権を得られたことになる。攻撃権を持った状態で自分のランプを点けると、相手もランプを点けていてもポイントは攻撃優先権を持っていたほうがもらえることになってるの、双方の攻撃権の移り変わりをフラーズダルム。剣での会話、

駆け引きってかんじかな、エペと違ってフルーレとサーブルにはそういうものがあるって覚えておいて!」


そう言われてもよくわからない……ますますどう戦ったら良いのかわからなくなり萎縮していく……。


「まあ、サーブルなんて攻めてナンボの種目だからね、その調子でもっと速く大胆に攻めてみれば良いよー!」


たしかに何も教えられてない自分はもう攻める以外選択肢なんてない、もう覚悟を決めたぞ!!


「……アレ!」




開始の号令とともに突っ込んでいく……すると相手も同じように突っ込んできた、また両方のランプが点く……


今度は剣を払われていない…てことは同時突きで両方にポイントが入る……?




「アタック、プレパラシオン! トッシェ、ポアン、トロアザゼロ(3-0)!」




えぇ……これも相手だけのポイントになってしまうのか……。




「新人ちゃん、攻めたのは良かったけど剣で攻撃するときはちゃんと手を伸ばそうね、そうじゃなきゃフレーズは取れないよ?」




いやだからそんなの聞かされてないよ……攻めてもダメだったじゃん…もうこっちに手はないんじゃ……!?

そういえば相手の剣を叩いてから攻撃すればフレーズがこっちになるんだったか、今度はそれをやるしかない……

今度は試合開始するとその場に留まったまま動かず相手の剣を払おうとしてみる…見事に空振りして切られる……。




「アタックトッシュポアン、キャトルアゼロ(4-0)!」




もうどうしようもない…次も結局攻めるしかなくなった。手をちゃんと伸ばせば良いんだろ、ならやってやるさ!


「ピピーッ!!」


今度はちゃんと手を伸ばして相手に当てたぞ、どうだ……!?


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