第8話

「よろしくお願いしまーす!」


「よっ! よく来たね、サーブルの左の用具一式出しといたから着替えたらそれ持ってこっち着て」


エイノさんがちゃんと言ってくれたのか準備万端のようだ、ここまでされたらますますやめにくくなるなぁ……


そして着替えた後、用具を持ってくるよう言われたので適当に置かれた剣や服一式をまとめて持ち上げ……ようと

したときだった。


「痛っ……!」


なんかこの服ザラザラしてるな、エペの時には着てなかった銀色のジャケット、よく見たらマスクもそんな感じになってる……これ特別な素材なのかな? けっこうお高いのだろうか……?




「それね、エペのとちょっと違うから。まず昨日みたいにコード通して白いジャケット着てみて!」


そこまでは同じなのかか、そのあとこのザラザラしたジャケットをつけるってことかな?




「着れたかな?じゃあメタジャケねこれは普通に着れば良いだけだから」


そしてこれか、ホント手触り悪いな……




「そしたらコードの先のクリップをメタルの部分に挟んでね」




コードにクリップ?そんなのついてたっけ…そういえばこれ昨日のコードと片側の先が違うような、どうだった

かな……




「あとエペと違ってマスクにもコード付けるからね」




なんかよくわからんけどエペと違ってメタルの部分が多くたくさんコードを付けるんだな……ハイテクスポーツ


っぽい。そういえばこの手袋もメタルになってる……




「できたかな?じゃあチェックして、ブースターちゃんお願い」




「ほいな、よろしくな後輩ちゃん!」




「ブーちゃんはフルーレ人だけどフットワークが良いからサーブルも兼任しててそこそこやるんだよ」




「せんせぇ~その略し方なんやねんな~やめてや!」




いつの間にか私の相手になってくれる人が準備して待っていた。先輩のようだが身長は私より少しだけ低い、


6フィートと1インチとちょっとくらいの関西弁で明るそうな方のようだ。


「こちらこそよろしくお願いします!」




それからガードを突こうとしたがはじかれて腕を軽く剣で叩かれた、相手側のランプが光る。


「ワイの手ぇにもやってや!」



見よう見まねで同じことをしてみる、今度はこっちのランプが点く。これがサーブルのチェックの仕方なのか?




「後サーブルはマスク含めメタルになってる部分しか攻撃してもランプは点かないからね、剣のどこで


触れても点くけどガードの部分で当てちゃだめだよ、反則になるから」




「あ、は、はい……」




「それじゃあオンガード!」




そういうと相手の関西弁の人は剣を床とほぼ垂直になるぐらい立てていた、昨日のエペの人とはだいぶ構えが

違うようだ。人によって違うものなのか、それとも種目によって違うのか…?

とりあえず私は昨日教わった構えをする。




「……プレ・アレ!」




と同時に相手がすごい勢いで突進して私のマスクを切った!?


「パイヨォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!」


関西弁の人が叫ぶ! 昨日もそうだったが今日も何が何だか分からない……?

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