第2話
「わたしフェンシング部の顧問やっててね、今新入部員探してるとこなの、良かったら見学してかない?」
「えぇ…私釣りって父がやってるの見たことあるだけで自分ではやったことないですけど大丈夫でしょうか?」
「フフッ、とりあえず練習場へおいでよ、きっと楽しめると思うから!」
キンキンピーッツ、キンキンキキキンキキキンピーッツ!!
「アルト、トッシェポワン!!」
「アタックノン、アタック!」
「シュミルタネ、リヤン、パドトッシェ!」
「イェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
言われるがままに手を引っ張られて第二体育館へ連れていかれるとそこからガチャガチャと金属のぶつかるような音と周波数テストのような甲高い機械音、何やら英語ではない、たぶんフランス語で何かを言っている声、そして地の底から響き渡る野獣のような雄たけびが聞こえてきた……
「えぇ……、プールとか釣り堀とかでやるもんじゃないんですか?」
「この学校には釣り堀なんてないしプールでのトレーニングは基本夏場だけだねうちの部は」
「じゃあこれがフェンシングってものなんですか…?」
「うんその通りよ、これが私が顧問をしているフェンシングという競技だね!」
フェンシングかあ……全身タイツで剣のようなものを使ってする格闘技……というかスポーツ、聞いたことはあったような気もするが生で見るのは当然これが初めてだった…
そして先生はさらに説明を続ける。
「フェンシングには3つの種目があってね、まずはフルーレ、これは五輪で日本選手がメダルを取ったりもして
国内で一番競技人口の多い種目なんだけれど攻撃してポイントになる範囲が胴体と喉の剣道で言う前垂れ部分だけ、そこを剣先に付いてるポイントで突く、それで色のついたランプが付けば得点獲得、白ランプだと無効面を突いたと判断されたことになりポイントはなし、両方が同時に色ランプを付けた場合は攻撃権という権利を有しているほうにポイントが与えられる。ちょっとややこしかったかな?」
ややこしいも何もすべてがわけわからんぞ……。
とくにその……
「攻撃権?たしかによくわからないですねぇ」
「ならエペって種目はどう?これは攻撃権という概念がなく相手の体のどこを突いてもポイントが取れる、
ただし相手より速く、もしくは同時に突けば両方ポイントっていうフェンシングで一番簡単なルールが採用されてて世界的な競技人口は一番多いよ!!」
「それはわかりやすそうですね、じゃあそれをやってみたいなぁ、なんて……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます