祭りを彩るのは、幻想的な花々。

 今宵、最高の祭りで、主人公はデビューを果たすだろう。主人公の姉さんは、そう予言した。姉さんが主人公に着つけてくれたのは、牡丹柄の帯だった。ふわりと漂うように匂い立つ、一輪の牡丹。そして姉さんの帯は凛として咲く、一輪の菖蒲の柄の帯だった。
 透明な水面に映える色とりどりの花々は、とてもキラキラしていて、美しく、そして幻想的だった。主人公はいつも、デビューする仲間を見送る役だった。しかし今日は違う。こんなに奇麗になったのだから。
 水面が揺れて、主人公はそっと仲間から離れた。あれだけ慕っていた姉さんとも、これでお別れ。寂しいけれど、幸せがあると信じた。

 お祭りを、独特の視点と感性で描いた一作。
 どこか幻想的で、どこか懐かしい雰囲気があります。

 是非、御一読下さい。

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