強かそうに見えて優しく、優しそうに見えてシニカル。奴の名は――高見半次

昭和という、戦前戦中という、ある意味猥雑な時代、大陸に、東京に、舌先三寸で駆けめぐる男がいた。
奴の名は――高見半次。
その舌先は強欲な悪党からは富を掠め取り、力一杯生きる者には救いを齎す――けれども彼は決してそうとは主張しないであろう。
なぜなら、彼は――詐欺師なのだから。
詐欺師が詐欺師であると言うであろうか?
ましてや、義賊めいた男である、と。

大陸を舞台にしたスケールのある話もあり、戦前の東京上野浅草を舞台にした大芝居ありで、紙の本であれば、頁をめくる手が止まらない、という感じのお話です。

大詐欺師に敬意を表して申し上げると――
「騙された」と思って、一度、読んでみませんか。

ではではノシ

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