作品が魅力的過ぎてレビューをまとめるのに数日を要しました...。

この作品では余命宣告を受けた少女と主人公の悲恋を描いた作品となっているのですが、作品のアクセントになっている要素で主人公の『記憶異常』というものがあって、

この記憶異常のきっかけは常に作品の中で暗に示されているので、察しの良い人ならすぐにわかると思うのですが、ここで陳腐な作品にならない構成の工夫点があって、『迫り来る最期』の要素。伝えれないというポイントが作品をおもしろくしるのかな~と...。

目を覚まして多くの人と話す中で、どこか隠し事をされているような感覚になる主人公なのですが、これが1章で描かれる物語の起点で、途中出会って仲良くなった少女が、『みんなが隠している主人公の真実を教えてあげる。ただし──』といったニュアンスの条件をだして1章の幕引きに...。というのが大まかな冒頭の流れ。

ここでちょっと印象に残ったこの後のシナリオを勝手にサブタイトルをつけて提示すると。

『伝えることのできない真実と理由』
『何度も出会いを繰り返した二人』
『君と見た思い出の桜』
『もう見ることのできないかもしれない君と見た桜』

といったものが多数。

百合作品として描かれるこちらの作品ですが、異性愛じゃなくて同性同士じゃないといけないシナリオや様々な対比表現など、作品を読むうえで抑えててほしいなと思うポイントをしっかり抑えて表現されているので、読み終わっても繰り返し読みたいと思えるとても魅力的な面白い作品となっていました。

あまりレビューで比較評価をするのもどうかとは思うのですが、誇張表現なしに書店に並んでいる書籍にも勝っていると思うクオリティの作品なので、ぜひ手に取って読んでみてほしいと思いました。

私一人の感性での評価ではありますが、WEB小説の中では天井レベルの面白さを持つ作品だと思います。

私の評価は☆3ですが、正直☆3では物足りないと思うほど...、とても印象に深く残る作品になりそうです。

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