またここで君と逢いたい

きおかわ ひつじ

序章

いつかのはなし

「ねぇ、ママ。この写真の人、だれ?」


「この人はね、ママの大切な人だよ」


「たいせつな人?」


「そう。でももう会えないから、たまにこうやって写真を見るの」


「どうして会えないの?」


「遠い所に行っちゃったからかな」


「会いにいけばいいんじゃないの?」


「会いに行けないくらい遠い所に行っちゃったんだよ」


「ふーん……。でも、この人すっごくきれいだね」


「そうでしょー? ママも初めて会った時はびっくりしたよ」


「みぃも会いたかったなぁー」


「それはできないけど、いつかみぃちゃんに大切な人が出来たら、ママに会わせてね」


「みぃの大切な人はねー、……ママとパパ!」


「ふふっ、ありがとう。でも、ママとパパの他にも、いつか大切な人が出来るからね」


「できるの?」


「出来るよ。だからみぃちゃんのその力も、いつか出来る大切な人のために使うんだよ? ママと約束」


「うん、やくそく!」

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