半島の南端に位置するユークレース国。
その正当なる王位継承者・ラピス姫。
そして彼女の傍には、魔術を生業にしたとされる一族の末裔・クエルクスがいた。
穏やかな大洋国家であるユークレース国。だが、ユークレース国含む諸国では、「四季」が順当に流れない、という問題を抱えていた。
それ故に「星読み」に天空を読んで予兆してもらうのだが、今年はまだ確かではない。
そんな中ラピスは、宰相から『奇跡の林檎』について尋ねられる。
「季節が巡らない神秘の場所」。そこにある『楽園の林檎』。
ラピスは宰相から、その林檎を取りに行くことを持ち掛けられる。
『楽園の林檎を手折れる者は、穢れなき処女でなければならない』
ラピスは国王である父の身体を治すために、その林檎があるとされる『秋の国』へ向かうことに。
二人は半島を北上し、パニア国、トーナ国を通っていく。
だがそこには、深い憎しみの歴史が横たわっていた。
骨太のハイ・ファンタジーの世界観。そこで織り成される人間ドラマに、きっと息をつくのも忘れてしまいます!
楽園の果実。そのタイトルに、アダムとイブが食べた禁断の果実を想起させられた方は多いでしょう。私はナルニア国物語の『魔術師のおい』を思い浮かべました。本作は、そのような神話や名作ファンタジーを彷彿とさせる、神秘的で格調高い世界観でした。序章から世界観に惹き込まれると思います。
宝石のように青く美しい瞳を持つラピス。ユークレース国の王女である彼女は、奇跡の林檎を求めて旅に出ます。容体が思わしくない父王を救うために。
ラピスを守るのは、従者の青年クエルクスただ一人。身分がバレないように旅をする二人は本当の兄妹のような仲の良さで、微笑ましいです。
城の外に広がる美しい景色、旅先での美味しいごはんの描写は、溜息がこぼれるほど素敵でした。ラピスとクエルクスとともに、壮大なファンタジーの世界へ飛び込んでみませんか?
これは病に倒れた父王を助けるために、どんな病でも治してくれるという「奇跡の林檎」を求めて旅をする姫と従者の物語です。
この物語はまず、何といっても描かれる風景、自然描写が美しいのです。この作者さまのお話はどれもそうですが、季節の移り変わり、吹きわたる風や木の葉にきらめく光の陰影までが映像で見えてくるかのように綴られていて素敵です。
旅物語の見どころと言えば移り変わる風景、おいしいごはん、人ととの出会い、そして苦難、危機でしょうか。この物語は様々な要素が素敵にブレンドされ、さらにファンタジーならではの不思議要素に、恋愛スパイスもふりかけて、美しく深みのある味わい深い物語になっています。
主人公はどんな状況になっても前向きに頑張る芯の強いラピスと、それを支えるちょっと不思議な能力を持ったクエル。このクエル、一番の苦労人なのですが、とにかくかっこいいんですよ。
大切な人を思う気持ちが連なって重なっていく時に起こる美しい奇跡の物語。
あなたも読んでみませんか?
おすすめです♪
重病の国王を回復させるため、奇跡の林檎を求めて旅に出る王女、その従者。
二人の旅路は順調……ではなかった!!
姫と従者、二人っきりの旅ですからね。こりゃあ、恋の一つや二つ……なーんて思っていたら、襲撃に遭ったりしましてね。なぜか命を狙われそうになるわ、身分を偽ってたら、あーなるは、こーなるは、で大変です。のほほん旅ではございませんでした。
しかしご注目は、終盤の怒涛の展開でしょう。
コメント欄で絶叫が乱れ飛ぶ、さあ、あなたも驚きましょう、感動しましょう!
神話などを彷彿とする、きらびやかな世界観が広がります。
個人的には、テーマカラーが黄金のイメージで読み進めていました。
自然豊かな世界で繰り広げられる、愛と勇気の物語です。
病の父(国王)を救うため、身分を隠して旅に出る王女ラピスと従者クエルクス。
どんな病も治すという、奇跡の林檎が生るその場所は、四季が安定しない世界において、常に『秋』であるという。
いくつもの出会い。危険と隣りあわせの旅。伝説の地。成長、そして恋。
さまざまな困難を越えながら、奇跡の林檎を目指す。その展開はまさに王道の冒険ファンタジー。ですが、それだけでは終わりません。
後半からラストにかけて、物語はいっきに動きます。はたして、二人の旅の終わりに待つものは。
ハイファンタジー好きの方はもちろん、神話や童話好きの方にもおすすめです。
いまちょっと語彙力が四散してしまったので、大したことは書けないんですけども、でもこの読後のね!興奮を伝えたいと!
毎度毎度のことながら、蜜柑桜さんのお話は頭の中に映像が浮かぶんですよね。空が青いとか海がきれいとかそんなやつじゃなくて、自分の目で見ているみたいにもっと細かいところまで気がついちゃう感じといいますか。
食べ物なんかもしっかり美味しそうで、空腹時に読むのも危険ですけど、食べた後に読んでも危険ですね。飯テロですよ。
それでですね、異世界転生(転移)でもないですし、派手な魔法とかドラゴンが~なんてこともないもんですから、最近の流行とかではないと思うんですよ。
でも、私はこの作品を強く推したい!!
大切な人を助けたい、守りたい気持ちで冒険するお話が胸を打たないわけがないのです!そこにちょっとラブの要素でも加わってごらんなさいな、もう脳内はお祭り騒ぎですよ!
こういう話こそ朝読で若い人達に読んでもらいたいです。
四季が、まるで天気の如く移り変わる世界。
ユークレース国の王女ラピスは、病に伏した父を救うため、従者のクエルクスと共に身分を隠し、伝説の果実「奇跡の林檎」を探す旅に出ます。
主人公のラピスは、十七歳という少女であり、歳相応の弱さや未熟さを持っています。しかしその一方で、王女という立場とそれに伴う責任をしっかりと理解している、聡明な子。その相反する二つの面を併せ持つのが彼女の魅力であり、頑張る姿は思わず応援したくなります。
そして、本作のもう一人主人公とも言えるのが、ラピスの従者であるクエルクス。ラピスに付き従い、危険な場面では命をかけて守ろうとするその姿は、まさに従者の鏡。さらには、単なる主従を越えた強い想いも……
カッコいい従者キャラ。この言葉に少しでも興味を惹かれた方はぜひ一度本作に目を通してみてください。
過酷な旅路の果て、二人には何が待っているのでしょう。
皆さんは、お姫様と従者の関係はお好きでしょうか?
このお話は、ユークレース国の王女ラピスは、父である国王の病を治すため、『奇跡の林檎』を探す旅に出るという物語。
そして旅に同行してラピスの事を支えてくれるのが、従者クエルクスです。
ヨーロッパ風の世界で、野を越え山を越え、時に困難にあいながらも、旅を続けていく二人。
ラピスはしっかりとしたお姫様ですけど、それでも不安に陥ったり、一人ではどうしようもない事態になったりすることはあります。
そんな時に彼女を守り励まし、危険にも立ち向かっていくクエルクスがとても格好よく、ラピスはラピスでただ守られているのではなく、信頼するクエルクスのためにも自分にできることを探していって。そんな二人の関係が、とても微笑ましいです。
家族とも恋人とも違う、独特な距離感を持つ、姫と従者。気の抜けない旅の中で、心を許した相棒に時折見せる表情には、読んでいるこっちの心も和ませてくれました。
旅は長く困難の連続ですけど、信頼できる相手と共に、『奇跡の林檎』を手にして無事故郷に帰ってほしい。
ラピスとクエルクスの絆がつまった、美麗なハイ・ファンタジーです。
十七歳の少女ラピスは、国民の生活を思う心優しい王女。
国王の病を治すべく、たった一人の従者クエルクスと、奇跡の果実を求めて旅立つが……。
王族という立場ではなく一家族としての思いを大切にする父子、その関係がきちんと描かれているので、「どこかの国のお姫様の物語」という枠を超え、設定がぐっと身近に感じられます。
父親を救いたい、それは国民を守るということ。
それをよく理解して、ラピスはあくまで一人の王女付き下女として振舞います。
そんな彼女に絶妙な距離感と愛情を抱きつつ守っていくクエルクスとの仲が微笑ましく、そして頼もしい。
物語の中に登場する「星読み」という独特の仕組みも、世界が神秘で包まれており、どこかに奇跡の果実があるのだと信じさせてくれます。
果たしてラピスは楽園の果実を手にし、無事に帰還できるのか。
そのとき、クエルクスとの仲はどうなっているのか。
この先の展開が楽しみです。
執筆頑張ってください!^-^
国王の病は、奇跡でしか治せない。
季節が巡らない神秘の場所にあるとされる奇跡の林檎(処女しかとれない)をとりに二人の主人公が向かいます。
娘の名は、ラピス。ユークレース国の正統な王位継承者。
青年の名は、クエルクス。その昔、魔術を生業にしたとされる一族の末裔である。鳥獣に言葉の通じれます。
獣のいる森を抜けたり、スリリングです。
国の設定も面白いです。四季が不安定である国々。
季節の変化を測る技とその生業を「星読み」。いいネーミングです。星描写も素敵です。
プロローグを読んだ瞬間から引かれます。
文章うまいです。
綺麗な情景描写。
印象的なフレーズ。
綺麗なファンタジーをお求めの方はぜひ!