その果実は、愛憎と奇跡と罪を司る。

半島の南端に位置するユークレース国。
その正当なる王位継承者・ラピス姫。
そして彼女の傍には、魔術を生業にしたとされる一族の末裔・クエルクスがいた。

穏やかな大洋国家であるユークレース国。だが、ユークレース国含む諸国では、「四季」が順当に流れない、という問題を抱えていた。
それ故に「星読み」に天空を読んで予兆してもらうのだが、今年はまだ確かではない。
そんな中ラピスは、宰相から『奇跡の林檎』について尋ねられる。

「季節が巡らない神秘の場所」。そこにある『楽園の林檎』。
ラピスは宰相から、その林檎を取りに行くことを持ち掛けられる。
『楽園の林檎を手折れる者は、穢れなき処女でなければならない』
ラピスは国王である父の身体を治すために、その林檎があるとされる『秋の国』へ向かうことに。
二人は半島を北上し、パニア国、トーナ国を通っていく。

だがそこには、深い憎しみの歴史が横たわっていた。
骨太のハイ・ファンタジーの世界観。そこで織り成される人間ドラマに、きっと息をつくのも忘れてしまいます!

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