果てしない旅で王女は美しく成長する

楽園の果実。そのタイトルに、アダムとイブが食べた禁断の果実を想起させられた方は多いでしょう。私はナルニア国物語の『魔術師のおい』を思い浮かべました。本作は、そのような神話や名作ファンタジーを彷彿とさせる、神秘的で格調高い世界観でした。序章から世界観に惹き込まれると思います。

宝石のように青く美しい瞳を持つラピス。ユークレース国の王女である彼女は、奇跡の林檎を求めて旅に出ます。容体が思わしくない父王を救うために。
ラピスを守るのは、従者の青年クエルクスただ一人。身分がバレないように旅をする二人は本当の兄妹のような仲の良さで、微笑ましいです。

城の外に広がる美しい景色、旅先での美味しいごはんの描写は、溜息がこぼれるほど素敵でした。ラピスとクエルクスとともに、壮大なファンタジーの世界へ飛び込んでみませんか?

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