『奇跡の林檎』を求める、お姫様とその従者の旅物語

皆さんは、お姫様と従者の関係はお好きでしょうか?

このお話は、ユークレース国の王女ラピスは、父である国王の病を治すため、『奇跡の林檎』を探す旅に出るという物語。
そして旅に同行してラピスの事を支えてくれるのが、従者クエルクスです。

ヨーロッパ風の世界で、野を越え山を越え、時に困難にあいながらも、旅を続けていく二人。
ラピスはしっかりとしたお姫様ですけど、それでも不安に陥ったり、一人ではどうしようもない事態になったりすることはあります。
そんな時に彼女を守り励まし、危険にも立ち向かっていくクエルクスがとても格好よく、ラピスはラピスでただ守られているのではなく、信頼するクエルクスのためにも自分にできることを探していって。そんな二人の関係が、とても微笑ましいです。

家族とも恋人とも違う、独特な距離感を持つ、姫と従者。気の抜けない旅の中で、心を許した相棒に時折見せる表情には、読んでいるこっちの心も和ませてくれました。
旅は長く困難の連続ですけど、信頼できる相手と共に、『奇跡の林檎』を手にして無事故郷に帰ってほしい。
ラピスとクエルクスの絆がつまった、美麗なハイ・ファンタジーです。

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