それは、秘めやかな逢瀬。

独特の世界観を、群を抜いた筆力が丁寧に描写する。
そこに煌めく光の表現。
そして妖しくも美しい、指。

初めから、魅入られていたのだろうか。

全身に刺青を彫られ、外に出られぬ身体になっても生き長らえる娘の話を聴き、そうはなりたくないと言ったゆき子は、自分の最期をどう思うのだろう。

人の、醜さ。
手の、美しさ。

けれど美しいモノが、正しいモノとは限らない。

その他のおすすめレビュー

南雲 皋さんの他のおすすめレビュー210