夏野式エログロサスペンス

文章のきめ細やかさはそのままで、それが強烈な手へのフェティシズムとともに不気味さを醸し出す。

それにしても、近三作のこの淡さ→彩度高めの視野→黒とも呼ぶべき朱、の流れを見ていると、世界観のジェットコースターぶり、誰よりも作者さまが楽しんでおられるのだろうなあ、という感じがします。やばいね!

作中の白眉は、顎の下の自意識という表現でした。いやー、心身ともに肥えていることをそう表現なさるかー……! という。

読後、頭の中にぼとり、ぼとりと肉片がしたたるような、そんな感触の残る怪作です。みんなが寝静まった真夜中に読むのがおすすめですよ!(爽やかな笑顔)

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