第1話〜僕、覚醒〜

『オートスキル【死神】が発動しました。

これにより、【死神】が消滅致します。オートスキル

【魂食い】が発動しました。

これにより、オートスキルで異常が見られた【死神】

を再度獲得致します。

オートスキル【死神】を獲得しました。』


ゆっくりと目が覚める。やけに体が重いし力が入らない。周りは知らない森だしあたりは真っ暗だ。それに

そもそもなんでこんな所に一人で。


『状態、虚弱を確認しました。オートスキル【状態回復】が発動しました。現在、マスターの状態は良好です。』


「あ、そうだ。僕はブラッグウルフに首を噛まれてそのまま・・・じゃあ、なんで僕生きてるの?」


何故か割と直ぐに原因が分かったのはさておき、

状態回復?のおかげで落ち着いた僕は、まずは身の回りを確認し、自分に怪我が無いことを確認する。


「でも、僕の服血だらけだし、絶対一回は死んだよね、僕・・・。」


さらに周りを見渡すと、あの大きくて凄い強そうだったブラッグウルフが息絶えてる。

・・・本当に何がなんだか分からなくなってきたな。


死んだと思ったら生きてるし、なんか色々とおかしな現象が起きてるし。

そんな混乱している僕の頭の中に言葉が発せられた。


『神ホルトウィリアからメッセージが届いております。現在、混乱を確認。状態かーーー』


「あ、このメッセージ飛ばす事できるんだ。

というか神って誰なの?ホルトウィリアなんて知ら・・・」


『・・・できれば飛ばさないで聞いてほしかったです。』


ん?今何か・・・。


あれ、なんか思い出してきた。

確か、ホワイトウィリアって僕が今ここにいるのに凄い関わりがあったような・・・。


『マスターの一番記憶破損を確認。

神ホワイトウィリアの記憶を鮮明に再度、アップデート致しました。』


「いっつ・・・。ぅぅ、痛い。

でも、思い出した。確かこの世界の唯一神様だ。なんでこんなに重要なこと。

多分このメッセージをくれる人のおかげなんだよね。」


『そうです。』


お、おぅ。


僕は取り敢えず神様からのメッセージを開くことにした。

以下は僕をこの世界ウィリアに、日本で1度死んだ僕を転生させてくれた神様からのメッセージである。


「やぁやぁユマ君ごきげんよう!ホルトウィリアちゃんだぞ♡多分そっちだと初めましてかな?

契約の通りにあなたが次に亡くなった時にステータスをアップデートするようにしていたからやっておいたよ。

でも、まさかのまさかだよ〜。

長い時間オートスキルを選んでるな、この子って思ってたら、まさかユマ君の体がもたないから、亡くなった体にアップデートして、生き返るように。ってするための死神の能力にこんな裏技を見つけてたなんて〜。

もう、絶対ユマ君死んじゃわないじゃん?

チートよ、チート。

まぁ私の世界を楽しんでくれたらそれでいいかな。

私からのメッセージはこれで終わりだよ。

また何かあったらそっちに送ると思う。

いや多分しないかな?またいつかね〜。」


「どっちなんですか。と言うかステータスなんてこの世界あったんだ。初めて知ったよ。」


相変わらずあの人は。キャラ濃いな〜。

でも、今の今まで忘れてた存在だけど。


「えっとステータスオープンって言えば見れるのかな。よし、『ステータスオープン』」



ユマ・サテラ Lv1→3

ステータス


体力120→360

攻撃10→20

防御10→20

素早さ15→35

知能50

魔力30→50

魔防20→40

気力20→40

幸運S

才能C

成長スキルポイントLv×1獲得

スキルポイント100→102(成長比例)


スキル

なし



オートスキル

【死神】体力が0になった時発動。

体力を1にし、自信の体力を0にした相手の体力を0にする。使い次第死神は消滅する。

【状態回復】自身の以上や相手の以上を治す。

【魂食い】敵を倒すと自身を、敵と戦う前の状態に戻す。ステータスは戻らない。

【前世の記憶】前世の記憶を持つ。


称号

【神の寵愛】幸運が上昇する


「これが僕のステータスか。選んだ通りのステータスになってる。」


元々前世の記憶はあった。ただ、こうやって神様のことやステータスのことを思い出したのは今この瞬間だ。多分今回のアップデート?に、その時の記憶もあるのかな。



「はっ!こうしちゃいられない!マールとマリアルのご飯を作らなきゃ。」

えっとどれくらい時間が・・・。


『マスターが殺されてから、数分程しか経過しておりません。』


あ、ありがとう。えっと、メッセージさん。

あの、と言うか、さっきから言ってるマスターってなんですか?


『マスターは、マスター。ユマ・サテラ様のことでございます。そして、私は以後ナビとお呼びください。』


え、えーっと・・・ナビもスキルとかなのかな。

『私はマスターの恩恵であるナビゲーターの能力そのものでございます。』


ナ、ナビゲーター!?というより、恩恵って12歳から発現するんじゃなかったの。


『恩恵はこの世界の誰もが12歳の誕生日に取得する能力のひとつですが、マスターの考えは、合ってもあり、外れてもいます。

本来恩恵とは生まれた時から所持している能力で、その恩恵によって開放される条件が異なる。というものです。

そして、の恩恵の場合、体が本格的にできてくる12歳での発現が良いと神ホワイトウィリアはお考えになりました。

ですが、例外も存在します。』


ナビみたいに?


『そうです。私は元々マスターの恩恵【操作】の特殊条件が解放された時に現れるシークレット恩恵です!』


なんか今ナビの声色が上がった気が

『気のせいです。』あ、はい。


えと、ナビが開放された条件ってなんだったの?

それに操作って僕初めて聞く恩恵だけど。


『まずは【操作】の恩恵から。操作とは自分のこれからの、本来カスタマイズできないような、才能の分配などができます。

分かりやすく言うとスキルポイントの割り振りです。操作の恩恵を持っていない場合、勝手にスキルポイントはその者の恩恵やらに左右されて消費されます。

操作はそれを自分で組み込むことができる恩恵です。

それ以外にも簡単な物の操作や物の鑑定ができます。

この恩恵自身もレア恩恵です!』


うん。充分強すぎる恩恵だね。そして、また最後声色・・・まぁ気にしないでおこうかな。

でも恩恵を僕が持ってたらステータスに現れたりしないのかな?


『ステータスに現れないのはただ単純にマスターが12歳に至っていなく、神の権限で見えなくなっているというだけです。

そもそもステータスを見ることができるには、【鑑定】などを使わなければならないため、普通そんなこと、そもそも知っている人の方がごく僅かです。

そして、私ですが私の恩恵名は【ナビゲート】と言います。マスターの物の管理や知識など様々なことをサポートすることができます。

実際に見えなくなっている部分を補うとマスターのステータスはこうなります。


ユマ・サテラ Lv1→3

ステータス


体力120→360

攻撃10→20

防御10→20

素早さ15→35

知能50

魔力30→50

魔防20→40

気力20→40

幸運S

才能C

成長スキルポイントLv×1獲得

スキルポイント100→102(成長比例)


スキル

【鑑定】人や物のステータスや能力を測ることが、できる。

【アイテムボックス】異次元空間に対象物を閉じ込める。生命体は不可能。中は時が止まる。

【浮遊魔法】人や物を浮遊させられる。Lvに比例する。(Lv×100Kg)


オートスキル

【死神】体力が0になった時発動。

体力を1にし、自信の体力を0にした相手の体力を0にする。使い次第死神は消滅する。

【状態回復】自身の以上や相手の以上を治す。

【魂食い】敵を倒すと自身を、敵と戦う前の状態に戻す。ステータスは戻らない。

【前世の記憶】前世の記憶を持つ。


称号

【神の寵愛】幸運が上昇する


恩恵

【ナビゲート】詳しくは本人に聞きましょう。』


本人に聞きましょうって。ナビゲートさんはなんでもできるから。ってことかな。


『そうですよ。私はだいたいなんでもできます!


・・・そして私の開放条件ですが、死ぬその日まで【操作】能力を使わないことです。』


え、どういうことですか?

死んだら開放も何も無いじゃありませんか。


『ありますよ。もし、【操作】を使わずに互生をすごし、そのレベルが約30を超えてさえいれば死神のスキルを使うことができます。それ以外はそのまま亡くなってしまいますが。』


なるほど。つまり【操作】能力を持っていながら何もしないとなると、他とは違ってスキルポイントは分配されず残るっていうことなのかな。そして、スキルポイントを使って【死神】をナビが購入して、対象を生き返らせると。

僕はそもそも持っていたから関係が無かったけど。


『そこまで理解されるとは。流石転生者のマスターです。』


でも、スキルポイント30程度で【死神】なんて、強い能力買えるの?僕が持っててなんだけど。


『それはそうですね。死神はとても高くスキルポイント25もかかってしまいます。』


ん?待って。僕の買えるの?ってそういう意味じゃ、


『分かりますマスター。それは、操作の能力のもうひとつの能力で、スキルポイントが確実に1つ。

Lvが上がる際に貰えるんです。

スキルポイントは本来はLv10上げて、1、上がるかどうかの物なんです。

それ以外も貰える方法はありますが、そういう訳で、ある意味私を開放するにはそもそも私という存在を知っているか、偶然私を開放するかの二択になります。そして、今の今まで私を開放した者は一人もいませんでした。私を開放したのは、マスターが初めてです。』


そ、そうなんだ、なんか喜べばいいのかよくわかんないけど・・・。

じゃあ本来は【死神】を手に入れるにはLv300にはならなきゃいけないってことか。ひぇー。


『マスターは今のスキルポイントは、102ポイント・・・ですか。

恐らく、ホワイトウィリア様がしたのでしょうね。

取り敢えずなんでも買えますがどうします?』


いや、いいよ。今日はもう、僕の天使をこんなに待たせちゃったし早く帰りたい。


『天使とは・・・あぁ、承知致しました。では視界の右から3番目の木の方向へ歩けば家へと着きます。』


ありがとう、ナビ。・・・それと実はさ、ーーーーーー




sideクレ


昨日のユマとの話のあと、私は奴隷商を自宅に招き、

奴隷の売買の話をしていた。


「では四日後にまたここへ参上します。ですが、約束を破らないように。こちら側も信用の商売。もし何かあってしまったら、私めは知人の大事な商売相手であるあなたを殺さないといけないゆえ。」


「あら、心外だわ。勿論分かってるわよ。私が約束を破った事なんてある?」

私の元には奴隷商が来ていた。でもいつもの奴隷商とは違っていて少し細い男だった。

この話はサテラ家のあの子供3人を奴隷として売る契約。

あの子たち顔みんないいからすんごく貰えそうなのよね、


「ふふっ。」


「どうしましたか?急に。」


あら、思わず顔に出ちゃったみたい。いけないいけない。


「いえ、なんでもないわ。まぁそうねぇあの子たち、とても顔が良いからすんごく売れるんじゃないかって。」

「なるほど。顔がよろしいと、(・・・子供のなのに顔が良いなんて。)

分かりました。では金貨を多めに持ってくることにしましょう。」

「あらそぅ?いいのに〜。」


感謝しなくちゃねぇ。あの子たちには本当に。

どれだけの物になるか楽しみだわ。


「それでは。」


扉の方へ背を向け、奴隷商が退席する。

その姿より、私はその男の指に目を向けていた。

「あの商人の付けてた指輪、いいわね。

売れたらあんな指輪を買おうかしら?」


この後大変な目に会うということは、この時のクレはまだ知らなかった。



ー3時間後ー



あの3人が逃げたわ!まずいまずいまずい、このまま見つからなければ私は・・・。

「村長!?どうしたのですか、急に私を呼び出して。」

「サテラ家の子供たちが失踪したわ。今すぐ冒険者を要請して。」

「な!?そんな、まさか魔物に!」

「それはないわ。あの家は一切壊された形跡が無かったもの。」

「なるほど・・・あ、あの、何故村長がそんな事を知っているのですか?」

「・・・。」

「村長?」

「いいから探しなさい!!!」

「は、はい!!」


私が激怒すると驚いた冒険者ギルドの係員が、急いで私の部屋を出ていく。

「はぁ、はぁダメね。私らしくない。あの子たちがいなくなっただけじゃない。どうせすぐ見つかるわ。どうせね・・・。」



ー三日後ー



なんで、なんで見つからないの。私の息がかかった冒険者も使ったのに、報告書にも目撃した情報すらのひとつもない。


なんで、なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで。


村長室から声にもならないような叫びが聞こえる。

そんな中、クレが予想もできない男が入ってくる。

それはクレの終わりを意味していた。


「失礼致しま、三日前とは雲泥の差ですね。」

「ど、奴隷商!!?なんでここに。契約は四日後よ。」


奴隷商が入ったその部屋はあちこちに本が散らばり、

椅子などは壊れてその場に放棄されていて、とても三日前に来た部屋ではなかった。

奴隷商は素直に驚く。だが、同時に、なにかに確信を持った奴隷商はクレへ視線を真っ直ぐ向け彼女に問いただす。


「ある噂を聞きましてね。

なんでも3人の子供たちが失踪したとか。それも男の子と双子の女の子が・・・。こんな一致は珍しい。

さて、これはどうゆうことですか、まさかその子達を取り逃したのですか?」


「そ、そんなことないわよ。」


くそっ。なんでこんなことに私が!何としても今日のうちに見つけなければ。

「嘘・・・ですか。その言葉には嘘がありますね。だけど、私に対しての嘘とはまた違う。一体どんな嘘を?」


「えっ、え!?」


よ、よまれた!?まずい、ここは取り敢えず何か言わなければ。


「い、いえ。あの子たちが逃げたのは本当です、困りました。ですが、待ってください。契約は明日。

それまでにあのを連れてきます。」


クレの返しはうまかった。嘘の中に本当のことを滲ませ、相手を誤魔化す。

そこには元貴族の風格があった。


この方法は言えば博打。高確率で相手を騙せる代わりに、バレたら一貫の終わりの大勝負。

彼女には自信があった。バレない自身が。


ただ、相手を明らかに間違えてしまった。


「そこが嘘でしたか。」




「え?」


「知人に頼まれてあなたの対応を引き受けましたがあなたも知人も、殺しておく必要がありますね。」

「な、何を言ってるの?私は嘘なんて」

その時クレは急に喋れなくなる。それはこの男の子が何かをした証拠だった。

「ン?・・・ンー!ンーー!!(え、なんで声が!息が!!)」

「私の恩恵は【口罪】私の前で嘘をつけると思わないことです。あなたが私に売ろうとしていたのは犯罪奴隷の子供ではない。

恐らく、あなたが不法に手に入れた・・・。

逃げてくれたのは幸いでした。

商売相手が減るのはとても辛いことですね。それでは。」


「ンー!ン、ンーー!!!(待ちなさい!私は、私はーーー!!!)」


男はドアを閉めてもまだ中ではクレの声が聞こえる。

だが、もう二度と男はその場所に訪れることは無い。


「これからやる事は沢山できてしまいました。まずはこの村から出た子供の奴隷は全て解放しなければ。」


この世界では確かに奴隷制度は存在するが、不法な奴隷は厳重に禁止とされている。

「先が長くなりそうです。」

男は堂々と村長宅の門から出るが、誰も男に気付くものはいなかった。



この日、村長宅で村長、クレ・ソッタの遺体が発見された。原因は分からず、遺体は苦しみ悶えたのか複数の打撲した形跡があったとされている。


この日から村から子供たちがいなくなるという現象が起きなくなった。

だが、ただでさえ廃村寸前だった村で、村長の死亡という致命的な事柄が生まれてしまった。

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