単純しかし深い、奇妙な掛け声に誘われ

冒頭から凧上げのシーン。
とてものどかな、和やかな、風に吹かれて口角が上がるような。
でも。
その地域の凧上げには、奇妙で不可思議な風習が隠されていて。


十一才の、まだ無邪気さの残る蒼介くんには、寝たきりで意識不明のお母さんがいます。
一度も言葉を交わしたこともないけれど、彼女はどんな知識があって、どんな風に遊んでくれるんだろうか──いつも少し気掛かりでした。


お母さんの田舎へ帰省した際に、先の奇妙な風習と出逢う蒼介くん。
宿題の『ことわざ調べ』とも相まって、好奇心と恐怖心の狭間で蒼介くんは少しずつ調べていきます。

ヒヤリ、ゾワリは鳥肌もの。
ラストの三話も鳥肌もの!

夏にももちろん、できれば年の変わり目に読んでいただきたい一作です。

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