暮らしの妖怪帖

作者 三文士

87

30人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

とても素晴らしい作品です。
下記のような方におすすめします。

・ほっこりしたい
・人と妖怪の交流が見たい
・マニアックな妖怪が好き
・ユーモラスな話が好き
・個性的なキャラクターが好き
・生活感のある雰囲気が好き
・一人暮らしで寂しい
・季節の移り変わりを丁寧に味わいたい
・風変わりな世界観を楽しみたい


春、夏、秋、冬で1話ずつと、最終話。
5つの短いエピソードが集まってひとつの物語になっています。
そのひとつひとつを思い出すたび、胸がじんわりと温かくなります。

ひとつの季節につき、それぞれの妖怪が登場します。
妖怪たちは皆、個性的で、一癖も二癖もあり、どこかリアルな存在感があります。
最初は、人ならざる者たちに恐ろし気な気配を感じます。
どこか不気味であったり、気持ち悪かったり、煩わしかったり。

でも、季節を追うごとに、主人公と妖怪の関係が変わってゆくところがとても興味深いです。


第1話で、主人公は市役所に妖怪の「駆除」を依頼します。
そう、この作品では妖怪は駆除の対象なんです。
まずそこが個性的で面白い世界観だなと思いました。

第2話では、妖怪と関りを持つ人間が登場します。
「あ、妖怪が駆除されるようなこの世界でも、人間と妖怪が関りを持ったっていいんだな」とわかります。
そして同時に、「人間側が見方さえ変えれば、それだけで妖怪との関係性を変えることができるのだ」ということも気付かせてくれます。

第3話では、なんと人間と妖怪の利害が一致します。
最初は役所に妖怪駆除を依頼したはずの主人公が、少しずつ妖怪を受け入れてゆく。その様子がユーモラスに描かれています。
そして、触れ合いで仲良くなるのではなく、「妖怪を利用する」ところから関係が始まるところが、人間という存在の業を描いているようにも思えます。

第4話。妖怪は相変わらず不気味だし、人間の都合などお構… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

暮らしを送るにつれ、望むと望まざるとにかかわらず、折り合いをつけることを学んでいかねばなりません。
それはどうも人も、あやかしもそう変わらないようです。公共福祉が変化したり、銭湯が廃れたり、オール電化が進んだりと、時代や環境など暮らしの変化は人だけでなく妖怪の暮らしにも影響を与えていたりして。
人も妖怪も、あるいは人と妖怪が、折り合いをつけながら日々の生活を送る様子をしたためた掌編集。
ちょっとステキな人情噺を読みたい気分のあなたにピッタリです。

★★★ Excellent!!!

タグに偽りなし!!

日常の中に「あたりまえ」に妖怪がいる。
おそらくは困ったやつも中にはいるのだろうけども、ここに出てくる連中はどいつもこいつもなかなかイイやつ。共存共栄というかなんというか、とにかくほのぼのしているのだ。

春夏秋冬大晦日、妖怪たちが人間とともに生きる社会。
各話ほっこり、読みやすいボリューム。
おすすめです。

★★★ Excellent!!!

小豆とぎ、垢なめ、おとろしに五徳猫。こんな妖怪たちが普通に社会に溶け込んでいる世界。
妖怪が居ること以外は、現代世界と同じです。
もし日常に妖怪が居ることが当たり前だったら……
きっとこんな世界に違いない! そう思える作品です。

主人公と妖怪たちの触れ合いにホッコリしました。
10000字以内で1話ごとにオチが付く話を5話も読めるのはお得だと思います☆

★★★ Excellent!!!

亡き母から受け継いだ家に住む青年の悩みは、家の天井に妖怪が住みついてしまったこと。駆除してもらおうと役所に行っても、たらい回しにされるばかりで……。

妖怪がいるのが当たり前という世界観で描かれる、妖怪と過ごす日々の暮らし。

くすりとしたり、しんみりしたり、共感したり……。
さまざまな感情に彩られながら進む物語は、まさに風情豊かな日本の四季そのままです。

ほっこりできる日常妖怪譚、どうぞお楽しみください。

★★★ Excellent!!!

主人公は母を亡くし、古い家屋を受け継いだ青年、御手洗十三(トミー)です。
近頃、家の中で『小豆はかり』という妖怪の声に悩まされ、市役所の妖怪駆除課を訪れました。訪れてびっくり、小豆はかりと思っていた妖怪は『小豆はかり』ではなく実は『小豆とぎ』でした。
何が問題かって? 2つの種族には明確な違いがあるのですよ。詳しくは本編をお読みください。
市役所に駆除課があったり、妖怪のことを担当する部署があるというアイデアが面白いですよね。楽しいな、楽しいな、と思いながら読み進めました。
楽しいばかりの作品じゃなくて時にはしんみりとするテーマも含まれています。
死を通して知る、生きるということ。

季節とともに訪れる妖怪たちとの出会い。
ほっこり心温まる素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

懐かしさの感じる日常風景(オール電化もあるよ!)に、妖怪が居て、共に生活する世界。
妖怪を巡る優しいひと騒ぎに、ほのぼのほっこりします。

読むとどこか懐かしくてほのぼのするこのお話で、妖怪と一緒のほっこりした日常、堪能してみませんか?

★★★ Excellent!!!

初めは自宅に出没した妖怪を駆除しようと役所を訪れていた主人公。

気付けば春、夏、秋、冬と恐ろしく(迷惑?)も憎めない妖怪たちと、一年を過ごすこととなります。

読めばきっと、この家を好きになるに違いありません。

妖怪たちと過ごす一年、少し覗いて行きませんか?

★★★ Excellent!!!

 妖怪、あやかし、それらを主題とした作品を目にする機会が増えた。一種のブームなのかもしれない。

 そんな中、妖怪と人間の日常的な交わりを描いた、妖怪ものの原点ともいうべき作品がこの『暮らしの妖怪帖』である。

 本編は春夏秋冬四つのパートに別れ、それぞれにユーモラスな妖怪が登場する。特に何か凄い力を持っているわけでもなく、ちょっとしたいたずらをしたり、時には良い事をしたり。
 そしてそれらは人間の日々の営みに密接に関わっている。

 人情ならぬ妖怪情に溢れた世界、作者の確かな技量がもたらすちょっとレトロでお茶目な妖怪の世界。

 さあ、一緒に覗いてみようではないか!