『出会い』と『別れ』の切なさがぎゅっと濃縮された物語。

死ぬ間際の少女・アリシアの元にやってきた顔なしの死神。死神の顔は本来、『大切な人』の顔に見えるのだが、アリシアに顔は見えなかった……。
そんな不思議なスタートを切るこの物語。最初から惹きつけられ、最後の最後まで、読者を離さないです。

死神がアリシアと出会って、変わって行く様を繊細に描いていたのが良かったです。アリシアもまた、変わっていくんです。
互いが互いに影響しあって、変わっていく。この作品の最大の魅力だと思います。

だからこそ、ラストがとてもとても切なかったです。あんなに丁寧2人を描いて置いて、ラストがこれかと思わず唸ってしまいました。してやられた、と思いました。描写力の素晴らしさを改めて実感しました。



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